Rasical Deskは、カスタマイズができる昇降デスクです。
あらかじめ天板の裏にネジ穴が多数用意されており、公式が販売しているモジュールを取り付けることで自分好みのデスク環境が作れるという製品になっています。あるようでなかったアイデア商品です。
一般的なデスクとしてだけでなく、撮影台としても便利で重宝します。
本記事では、そんなRasical Deskについてレビューしていきます。
Rasical Deskの基本的な仕様

まずは、Rasical Deskの基本的な仕様について簡単に紹介していきます。材質や昇降幅などのスペックや外観などが気になる方は、ぜひご参考ください。
Rasical Deskのスペック
- 天板サイズ:W1200/1400/1600×D750mm×H25mm
- 脚サイズ:W1200~1800×D57×H605~1255mm
- 天板重量(120cm):約17.4kg
- 脚部重量:約31kg
- 天板素材:ホワイトアッシュ無垢材(マットウレタンニス塗装)
- 脚部素材:スチール(粉体塗装)
- 天板カラー:ナチュラル/ウォルナット/チャコールグレー/ホワイト/バーンドウッド
- 脚部カラー:マットブラック/マットホワイト
- 昇降範囲:630~1280mmまで(キャスター含まず)
- 昇降速度:最大速度40mm/s、定格速度35mm/s
- モーター:静音デュアルモーター
- 脚部耐荷重:125kg(天板、収納モジュール含む)
- 騒音レベル:50dB以下
- 操作パネル:記憶可能な埋込み型タッチパネル
- 消費電力:昇降時300W/待機時0.1W
- 電源仕様:AC100V(50/60Hz)
- 安全機能:衝突防止センサー、チャイルドロック
以上が、Rasical Deskのスペックです。
天板のサイズは、幅120cm、140cm、160cmから選べます。本記事で紹介しているのは、幅120×奥行き75cmのナチュラルカラーモデルです。
一般的なPCデスクと同等程度の広さから、より広いものまで選べるようになっています。120cm幅なら、それほど広くはない部屋でも設置しやすいです。

さらに、操作パネルが埋込み型になっています。記憶が可能なので、高さを登録しておけば再設定不要で好きな高さをいつでも再現可能です。

今回、Rasicalさまから120cmのデスクを提供いただきましたので、本記事では120cm幅のRasical Deskにてレビューを進めていきます。
Rasical Deskの外観

Rasical Deskは、ホワイトアッシュの無垢材を使用しています。
ただ、無垢材の一枚板ではありません。
薄い無垢材の板を何枚も重ねて、厚みを出しています。こうした加工をすることで、厚い一枚板を使うよりもコストを減らせるのが良いところです。
重ねているということですが、特に違和感は感じられません。処理加工の関係で側面の色が天面の色と少し違うような印象があるものの、気にならない程度です。

さらに、塗装はマットウレタンニス塗装を採用しています。木材の自然な美しさを引き出せるのが、マットウレタンニスの良いところです。艶の少ないマットな質感で、木目を塞がず、無垢材の自然な風合いをそのまま維持できます。
ナチュラルカラーのおかげもあってか、非常に自然な印象です。
ただし、この点はカラーリングによって見え方が異なる場合があります。
とはいえ、全体的に自然でどのような環境でも浮かないデザインです。
Rasical Deskの良いところをレビュー
Rasical Deskの基本的な仕様について、紹介してきました。今度は、Rasical Deskの良いところについて、レビューしていきます。カスタマイズ性の高さやコントローラーの使い勝手などについて知りたい方は、ぜひご参考ください。
カスタマイズ性が非常に高い

Rasical Deskの最大の特徴が、カスタマイズ性の高さです。
天板裏には、あらかじめ60個以上ものネジ穴が開けられています。好みのモジュールを別途購入すれば、好きな位置にモジュールを取り付けて自分好みのデスクに仕立て上げられるのが良いところです。
たとえば引き出しを付けてみたり、サイドにパンチボードを付けてみたり、ケーブルボックスやヘッドホンハンガー、カップホルダーを付けたりと自由にカスタマイズできます。

専用モジュールもRasicalから幅広い製品が出ており、専用品だけでもカスタマイズが楽しめるのが良いところです。
もちろん、ネジ穴が対応していれば他社製のデスク用品の取り付けも可能ですし、クランプ式の器具も取り付けられます。
あらかじめネジ穴が開いていることで、一般的なデスクよりも簡単にデスクアクセサリーの取り付けができます。
理想のデスク環境を作りたい方に、非常におすすめです。
昇降幅が十分な広さがある

Rasical Deskの昇降幅は、63~128cmと広いです。
一般的なデスクの高さは、70cm前後であることが多い傾向があります。低身長だと厳しい高さですが、Rasical Deskは63cmにまで下げられるので、低身長でも使いやすいです。
もちろん、高身長のスタンディングデスク利用にも対応できる高さに上げることもできます。

あらゆる身長の方が立っても座っても快適な高さにできるのが、良いところです。
さらに、昇降速度も申し分ありません。最大40mm/s、定格速度が35mm/sと不足感はなく、他社製品と同等程度の性能があります。
遅くてストレスになるということは、ありません。
写真の撮影台としても使いやすい
Rasical Deskは一般的なPCデスクとして使いやすいのはもちろん、写真の撮影台としても使いやすいです。
ブロガーや動画投稿者、フィギュア製作者、フリマやネットショップ運営など自身の活動に写真を頻繁に使う場合にもおすすめ。
これまでは三脚で高さを調整しなければならなかったのが、電動昇降で調整できます。これが非常に楽です。写真を使う際に引っ張ってくる物も減らせます。
例えば電動昇降により63cmまで低くできることで、本来であれば特殊な三脚を用意しなければ撮影できなかった俯瞰撮影が可能になります。
俯瞰撮影というのは被写体を真上から撮影する撮影手法で、主に商品撮影などに利用します。

垂直に撮影することはできないが、ほぼ俯瞰撮影に近いことが可能
さらに、奥行きが75cmと広いため構図の自由度が高いです。
もちろん、奥にグリーンバックを置いて撮影する際にも手狭になりにくく、そのうえで構図を凝ることも可能。プラモデルのカッコいい写真を撮影したり、ECサイトの宣材写真を撮影したり、あらゆる撮影に対応できます。
下は75cm x 75cm x 75cmサイズの撮影ボックスをRasical Deskに配置しての撮影風景。

そしてこちらが撮影した写真になります。

75cmサイズの撮影ボックスは少し大きめですが、Rasicak Deskであればジャストで配置でき、小物だけでなく大きめの被写体も撮影することが可能。フリマやネットショップ用に商品撮影をおこなう機会の多い方にもおすすめです。
また、天然木の板を使っているため、木の自然な風合いを出したいときにデスク天板をそのまま撮影材料として使えるのも快適です。
クランプ式器具を左右・奥の3か所に取り付け可能

Rasical Deskは、モニターアームやマイクアーム、撮影機材などのクランプ式器具を「左右」と「奥」の3方向に取り付け可能です。
これは、天板とスタンドの間に十分なスペースがあるためで、スタンドが天板の端から内側に設置されている構造になっているからです。

たとえばデスク(下画像参照)によっては、スタンドが天板のすぐ横に配置されているため、横方向にはクランプ器具を設置できないことも少なくありません。

Rasical Deskはその点、左右・奥すべての面が開いているため、既存のアーム類や機材を自由にレイアウトできる柔軟性があります。とくに撮影・配信環境やマルチモニター構成を組む方にとっては、大きなメリットです。

なお、前面にはクランプ器具を取り付けることはできません。

天板の前面エッジは手前に向かって斜めにカットされた「前傾エッジ」デザインとなっているためです。
これは手首や腕への圧迫を軽減し、長時間作業時の快適性を高める設計。「前面は快適性重視」「左右・奥は機能性重視」と、使用感と実用性のバランスがとれた構造となっているのが、Rasical Deskの魅力のひとつだと感じます。
Rasical Desk自体モジュールで拡張していくことを前提しているので、クランプ式器具の取り付けについては特段アピールされていませんが、実はこれが大変便利だったりします。
コントローラーの見た目と使い勝手が良い

Rasical Deskのコントローラーは、デスク右手前に埋め込まれています。
昇降デスクのコントローラーは、手前側に別途取り付けるタイプの製品が多いです。天板は木目が美しい無垢材なのに対し、コントローラーだけ黒黒としてしまうということも少なくありません。
一方Rasical Deskは埋込み型で、デスクのデザインと調和しています。暗い色の天板を選べば、特に天板との溶け込み度合いが高くなるのが良いところです。
さらに、スペックにはタッチパネルと記載されているものの、実際にはクリックした際の押し心地のあるタイプになっています。非物理ボタンが苦手な人でも、安心して使用可能です。
そのうえ、メモリ機能もあります。
高さを3つまで登録しておけるのが、良いところです。座り姿勢の快適な高さと、立ち姿勢での快適な高さに加えてあと一つ登録できます。
移動も昇降も楽で静音性も高い
Rasical Deskの脚部には、キャスターが搭載されています。
移動する際には、キャスターのロックを外して簡単に移動させられるのが良いところです。乱雑にさえしなければ、揺れで天板に置いてあるものが倒れたり落ちたりすることがなく、快適に使えます。
移動が非常に楽で、昇降もボタンを押すだけ。設定は一度記憶させればいつでも再現できるので、こちらも楽です。
そのうえ、静音性も高くなっています。
移動時の音はキャスターなので、不必要にドタバタと音が鳴りません。床に敷物をしている人であれば、階下への影響も減らせるので夜に移動させることも可能です。
さらに、モーターが静音デュアルモーターになっており、昇降時の動作音も気になりません。部屋の外には漏れ出ない程度には抑えられているので、夜中でも気兼ねなく昇降できます。
配線隠しがしやすい加工

Rasical Deskの天板の後方に、配線孔が左右・中央の3箇所にあります。ケーブルをここから天板の下に通すことで、手軽に配線を目立たせなくすることができるのが便利です。
ケーブルガイドなどを別途購入せずとも、配線をまとめられます。
そのうえでモジュールのRasical Shelfや他社製品の配線隠しツールなどを使えば、配線を気軽に隠せるのが良いところです。
モジュールセットモデルもある

Rasical Deskには多種多様なモジュールが販売されていますが、初心者の方の場合、自分にどのようなものが必要か、どういったデスクアクセサリーがあるかがわからないこともあります。
そういう方のために、モジュールセットモデルがあるのが良いところです。
しかも、Rasical Desk単品と同じページでセットモデルを選択できるようになっており、非常に親切。
セットモデルには、スターターセットと整理整頓モデルの2種類があります。
スターターセットは、ケーブルトレイやノートPCや書類を置くためのPCトレイ、マグネット接続プレートを付属したセットです。
整理整頓モデルは、スターターセットの内容に加えてシェルフや引き出し、パンチングボードなどデスク周りを整理するのに重宝するモジュールがセットになっています。
Rasical Deskの気になる点をレビュー
Rasical Deskは拡張性が高いだけでなく、基本性能にも不足がなく、使いやすい昇降デスクです。とはいえ、一部に気になる点もあります。
そこで今度は、Rasical Deskの気になる点についてレビューしていくので、ぜひご参考ください。
脚が丸いタイプだからマグネットは難しい

Rasical Deskは、脚が丸いタイプになっています。
PCデスクの脚としてはよくあるタイプですが、近年は四角柱タイプが人気です。
四角くなっているほうが、マグネットの取り付けなど便利な点が多いのが人気の理由。円柱になっていると、マグネットの取り付けがうまくいかず、マグネットを利用したティッシュボックスなどの取り付けができません。
専用モジュールが豊富なのでモジュールで対応はできますが、専用モジュールを使わずに脚部に取り付けるタイプのアクセサリーを使いたい場合には注意が必要です。
もちろん、マグネットがくっつかないということはありません。
コントローラーの位置変更ができない

Rasical Deskはコントローラーが埋込式なので、位置の変更ができません。
コントローラーが埋め込まれているのは、右手前です。フルサイズキーボードとマウスを使っている方なら、ギリギリ右肘あたりが干渉するかしないかといった位置にあります。テンキーレスサイズやそれ以下のサイズのキーボードを使っており、マウスをキーボードに近づけている状態では干渉しません。
ただ、デスク中央付近にキーボードなどを置き、右側に筆記用具とノートを置いて書き物をする場合などには注意が必要です。
実際に肘がコントローラーに干渉し、昇降してしまうケースもありました。
デスク右側を使った作業が、少しやりにくくなります。
Rasical Deskはこんな方におすすめ

- 理想のデスクを作りたい方
- デスクと同じメーカーでアクセサリー類を揃えたい方
- 天板がセットになっている電動昇降デスクが欲しい方
Rasical Deskは、以上のような方々におすすめです。
Rasical Deskの最大の特徴であり魅力は、カスタマイズ性の高さ。天板裏に開いた60以上のネジ穴を使い、専用のモジュールを簡単に取り付けられるのがRasical Deskの売りです。そのうえ、価格も無垢材天板付きの電動昇降デスクとしては安価なのが良いところ。
専用モジュールも、シェルフやキーボードトレイ、配線隠しに使えるものやパンチングボードなど種類が豊富です。他社製のアクセサリー類を使わずとも、幅の広いカスタマイズができます。
まとめ

本記事では、Rasical Deskについてレビューしてきました。
無垢材の電動昇降デスクは10万円を超える価格帯のものが多いなかで、カスタマイズ性などの優位性がありながら価格を抑えており、コスパが非常に高いです。他社製品との差額分でモジュールを購入すれば、自分好みのデスク環境を簡単に作れます。
それでも、10万円以上のデスクとアクセサリー類を別々で購入するより安価。
理想のデスク環境の構想が頭にあり、それを実現したい方にとっては特に魅力的なデスクだと言えます。