キーボードの最高峰と言われる東プレのリアルフォース(RealForce)。
リアルフォースは東プレが開発した静電容量無接点方式を採用したキーボードで、独特の心地よい打鍵感と耐久性によって高い信頼を得ているキーボードです。
開発者向けキーボードとして絶大な人気を誇るキーボード「HHKB」においても、そのキースイッチは東プレからOEM提供を受けており、打鍵感・耐久性などキースイッチにおける信頼感に関しては他の追従を許しません。
東プレのリアルフォースキーボードの中で私が保有しているのは、テンキーレスタイプ・30g圧・静音・APC対応の「R2TLSA-JP3-BK」というキーボード。
また、同社の45g押下圧のテンキーも保有していますので、30g・45g押下圧の比較、昇華印刷墨モデルの使い心地も合わせ、使用した感想をレビューしていきます。
R2TLSA-JP3-BK を選んだ理由
東プレ リアルフォースには、「日本語配列・英語配列」「フルサイズ・TKL」「APCあり・なし」「押下圧30g・45g・55g・変荷重」など様々な選択肢があり、リアルフォースを購入する際は、どれを購入してよいか多くの方が悩むはずです。
特に押下圧はタイピングのしやすさに直結するポイント。
一般的なキーボードの押下圧は45g程度ですが、リアルフォースでは45g以外に35g・55g・ 変荷重が用意されており、私の中でも35gにするか45gにするかを非常に悩みました。
55gは使い始めはしっかりとした打鍵感が楽しいと感じる反面、すぐに飽きるだろうと思い、最初から選択肢からは外していました。
また、変荷重は面白いコンセプトだとは思いましたが、小指で入力するキーが30g、それ以外はほぼ45gなので45g圧を選ぶのと大差はないと感じました。
30g圧のR2TLSA-JP3-BKを選んだ理由は、私がキーボードを使う用途的に長文入力をする日が多い事から。
仕事でタイピングする頻度が多いですし、趣味のブログでは3000文字程度から5000文字程度は日々タイピングしています。
出来るだけ長時間・長文のタイピングをしていても疲れづらいキーボードをと考えた結果、30gをチョイスすることになりました。
また、リアルフォースではアクチュエーションポイントを好みに応じて変更できるAPC機能が加わったタイプもあります。
APC機能が追加されることで値段も上がりますが、各キースイッチのオン位置を1.5mm、2.2mm、3mmの3段階で調節できます。
合わせてAPC機能付きのタイプは、物理的なキースペーサーをキーキャップの下に引くことで、キーストロークの戻りまで細かく調整する事が可能です。
もちろん30gという軽い押下圧&アクチュエーションポイントを短く設定することで、タイプミスは増えます。
しかしせっかくなら、超軽いタッチ&高速レスポンスで入力できるキーボードがどんなものか知りたいという好奇心から30gの押下圧でAPC機能付きモデルである、 R2TLSA-JP3-BK を選びました。
リアルフォースをレビュー
それでは早速リアルフォースをレビューしていきます。今回30gという押下圧・昇華印刷墨モデルを選択しましたので、その使い心地を具体的にお伝えします。
30g押下圧の使用感と45gとの比較
早速ですが、東プレの30g押下圧と45g押下圧を使ってみた比較感想をお伝えします。
30gを使用し始めた時、その軽さとスコスコと打てる感覚に驚きと感動を得ましたが、軽さゆえ少し触れただけで反応してしまうため、とにかくタイプミスを誘発します。
使い続けていく中で、タイプミスは減りましたが、とにかく繊細なことには変わりありません。
並行で45gのテンキーを使用していますが、45gの方が打鍵感は良くストレスなくタイピングができます。
今、30gか45gの押下圧で悩んでいるのであれば、45gを選んだほうが後悔はしないと思います。
私も買い直せるのであれば45gを選びます^^;
昇華印刷墨モデルはどう?
リアルフォースには、昇華印刷墨モデルというキーの印字が黒いタイプのバリエーションがあります。
全体的なブラックの統一感が美しく、私も昇華印刷墨モデルを選びましたが、正直こちらもやめた方が良いです。
ブラインドタッチに圧倒的な自信を持っている方であれば使いこなせるかもしれません。
私自身もブラインドタッチにストレスはありませんが、昇華印刷墨モデルの場合、暗いところでキーの印字が全く分からないんです。
打ち始めてしまえば問題ありませんが、打ち始めが分かりづらすぎて良いとは感じませんでした。
特別なこだわりがなければ、白く印字されたレザー印刷タイプをおすすめします。
同梱物とデザイン
続いて製品レビューに入ります。リアルフォースの同梱物から紹介していきます。
私が選んだ R2TLSA-JP3-BK はテンキーレスタイプの日本語キーボードとなりますが、テンキーレスキーボードの基本とも感じられるシンプルなデザインです。
特殊なキーやボタンで着飾ることも無く、必要なキーを必要な場所にきちんと配列されたキーボードです。
キーの印字は昇華印刷。
昇華印刷というのは、専用インクとキーキャップを圧着し高い温度で熱を加える事でインクがキーキャップに染み込む(昇華される)形で印字される方法です。
一般的なキーボードはタイピング量や経年劣化によって文字が消えてしまうことがありますが、昇華印刷の場合は、インクがキーキャップ染み込んでいる為、文字が消えないのがメリットです。
また、墨(黒)の印字になっている為、キーボード表面がごちゃごちゃしないというのも魅力です。
右上「Print Screen」「Scroll Lock」「Pause」キー部分のみリアルフォースを着飾るデザインがされているとともに、CapsLockやNumLockなどの状況を知らせるインジケーターが配置されています。
リアルフォースの魅力と特徴
リアルフォースの魅力は打鍵感と合わせ細かなカスタマイズが充実している事にあります。
スコスコとした心地よい打鍵感
東プレリアルフォースを語る上でまず外せないのが、静電容量無接点式による独特のスコスコとした打鍵感です。
一般的なメカニカルスイッチの打鍵感とも異なり、スッと下に落ちていく感覚は他では味わえません。
また、私の購入したリアルフォースは静音タイプです。静音タイプだから全く音がしないかというとそうではなく、底打ち時に柔らかい音がしますが、ストレスになるような音ではありません。
逆に、この柔らかい音を聞き続けていたら眠たくなってしまうような心地さです。
この打鍵感だけでリアルフォースを使い続けるユーザーも多く、ぜひ一度体験していただきたいです。
スイッチのオン位置を細かく設定可能なAPC機能
APC機能付きのリアルフォースでは、専用アプリにてキースイッチのオン位置を1.5mm、2.2mm、3.0mmの中から設定することが可能です。
一般的なメカニカルスイッチを搭載したキーボードのオン位置(アクチュエーションポイント)が2.0㎜前後のものが多いです。
1.5㎜はより素早い反応を求めたい方向けですが、キーを触れただけでも反応してしまう感じもあり、よほどタイプ操作が上手くなければタイプミスを連発してしまいます。
また、東プレのAPC機能は非常に優れており、特定のキーのみオン位置を変更することも可能です。
例えば写真の様に全体は2.2mmのオーソドックスなオン位置に設定しつつ、ゲームで反応を求めるWASDキーのみは1.5mmに設定するなどです。
ちなみに私のケースでは、保有しているリアルフォースは30gという押下圧で非常に軽いタッチでキーが反応してしまうこともあり、1.5mm、2.2mm、3.0mmのそれぞれを試してみた結果、30gと3.0mmの組み合わせが一番タイプミスが少なく、心地よく打鍵できるように感じました。
CapsLockとCtrlキーの入れ替えが可能
もう一つリアルフォースのアプリケーションで設定できる面白い事項として、CapsLockとCtrlキーの入れ替えをすることが可能です。
一般的なキーボードでは、Ctrlが左下に配置されていますが、左下配置だとCtrl+の操作をする際にホームポジションを外さざるを得ません。ホームポジションから外さなくとも窮屈な操作になります。
CtrlがCapsLockの位置に入れ替えられることで、ホームポジションからストレスなくアクセスできるようになるため、この位置に慣れるとキーボード操作が激変するほど楽になります。
無線・有線のハイブリットタイプ「R3」が登場
リアルフォースを検討している方の中で、無線(ワイヤレスタイプ)が出たら良いのにと考えている方も多いです。
2021年にBluetoothによる無線接続(有線も可)に対応したリアルフォース「R3」が登場しました。
電池式の為、定期的な交換が必要ですが、バッテリータイプの様にバッテリーが摩耗していくこともありませんので、半永久的に使えます。
押下圧も複数のタイプが発売されていますので、無線タイプのリアルフォースを検討している方はチェックしてみてください。
まとめ
東プレのリアルフォースキーボードを紹介してきました。
このキーボードを使用して良いと感じたのは、押下圧が30gと軽く静かな打鍵感。合わせてオン位置を3.0mmと深めに設定することでタイプミスも極力防げるようにカスタマイズできる事です。
長時間のタイピングでも疲れづらく、長く愛用していく相棒としては間違いのないキーボードだと感じました。
反対にデメリットは3万円前後と可愛げのないお値段。
5000万回という耐久性がある為、長期間使い続ければ元を取れますし、心地よい打鍵をずっと味わい続けられる訳ですから、損得で考えれば悩みどころではありますが、2000円前後で購入できるキーボードも多い中で、3万円を出すのは足踏みする方も多いはずです。
ライターやプログラマーなどタイピングの機会が多い方には間違いなく最強の道具となるわけで自信をもってお勧めしますが、それ以外の方にはお勧めしづらいキーボードです。
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