近年は完全ワイヤレスイヤホンが主流で、1万円未満の低価格帯のモデルも充実してきました。
年々発展を遂げているワイヤレスイヤホンですが、1万円未満で段階付きANC搭載のゲームにも普段使いにも活躍する製品が登場しています。
それは、QCY HT05 Melobuds ANC。
アクティブノイズキャンセリング機能を売りにした本機ですが、魅力はそれ以外にもさまざま。逆に、ここが少し残念というところもあります。
そこで今回は、QCY HT05 Melobuds ANCの基本仕様を紹介したうえで、良いところとイマイチなところについてレビューしていくので、ぜひご参考ください。
QCY HT05 Melobuds ANCの基本仕様まとめ
まずは、QCY HT05 Melobuds ANCの基本情報について簡単に紹介します。スペックや外観、付属品について解説していくので、性能やデザインなどが知りたい方はぜひご参考ください。
スペック
- 接続方式:Bluetooth
- Bluetooth規格:5.2
- 対応機種:iOS/Andoid
- 動作範囲:10m
- バッテリー持続時間:30時間(ANCオフ)/24時間(ANCオン)
- バッテリー容量(ケース):350mAh
- バッテリー容量(イヤホン):43mAh
- 充電ポート:USB Type-C
- ケースサイズ:55.1×54.9×628.44mm
- 対応コーデック:SBC / AAC
- 対応プロファイル:hfp/hsp/a2dp/avrcp
- 防水性能:IPX5
- 技適取得済み
Bluetooth5.2に対応しているので、通信安定性は比較的高いです。iOS/Android両方のスマホに対応しています。もちろん、スマホだけでなくBluetooth機能のあるDAPなどとの接続も可能です。
バッテリー持続時間は、ANCオフで30時間。これはケースも使用した際の持続時間ですが、同価格帯の製品のなかでは比較的高めです。ANCをオンにしても24時間持続するので、毎日頻繁に使う方でも安心。
さらに、防水性能はIPX5と高いです。
噴流水に当たっても問題が無いという程度。シャワーの水を浴びたり、雨に打たれたりしても問題なく使えます。
外観
QCY HT05のデザインは、シンプルです。
格安ワイヤレスイヤホンにありがちな、派手な見た目や主張の激しいロゴなどは特にありません。一般的なノイズキャンセリングイヤホンといった佇まいで、外でも家でも問題なく使えます。
質感には高級感はないものの、チープさもなく価格以上といった印象。
さらに、通話用マイクが少し伸びているデザインになっているのもポイントです。
この見た目のイヤホンはハンズフリー通話ができることがほとんどなので、外出中に通話をしていても一目が気になりにくいのもいいところ。
総じて、使いやすいデザインと質感です。
付属品
- QCY HT05本体
- 充電ケース
- USB AtoCケーブル
- イヤーピース(S/M/L)
- 説明書
付属品は、必要十分といったところです。本体と充電ケース、充電用のAtoCケーブルが付属します。
イヤーピースは、装着済みのMだけでなくSとLも付属。近年はイヤーピースを3サイズ付属する製品が多いですが、本機も例にもれずしっかりと付いてきます。イヤーピースは耳に合わないこともあるので、3サイズあるのは嬉しいところ。
過不足がないパッケージです。
QCY HT05 Melobuds ANCの良いところをレビュー
QCY HT05 Melobuds ANCは、格安イヤホンとしては高めの性能を持っており、デザインも落ち着いていて使いやすいということを解説してきました。それだけではわからない良さももちろんあります。
そこで今度はQCY HT05の良いところをレビューしていくので、音質やノイキャン性能が気になる方はぜひご参考ください。
低音の下支えによる音質バランスがいい
QCY HT05は、全体的な音質のバランスがいいです。
格安イヤホンでは、低音が派手な代わりに他の部分があまり聞こえないということもよくあります。低音はいいけど高音がスカスカだと、せっかくの音源も台無しです。
本機は低音が確かに強いのですが、中音・高音もしっかりと聞こえます。全体的にバランスが良く、音量・音質ともにどれか一つが特別劣っているということは特にありません。
低音は、締まりが良く心地のいい音が鳴ります。本機では最も強い音域です。
高域は、主張しすぎず自然に流れるといった印象があります。ドンシャリという言葉がありますが、本機はドンと低音がきますが、シャリシャリはしません。
中域もしっかりと綺麗に聞こえるので、ボーカル曲も楽しめます。
この価格帯としては珍しく、低音重視でありつつバランスの良いサウンドなのがいいところです。
良好な分離感でゲームにも使える
本機は、分離感が良好です。
分離感というのは、それぞれの音がどれだけ分離して聞こえるかの指標のこと。分離感が高いというのは、ボーカルとギターとベースとドラムなどの各楽器の音を聞き分けやすいということです。
ゲームでは足音などを聞き分けるのに、分離感が高いイヤホンが役立ちます。
本機はゲームでも十分使える分離感です。
ただ、高すぎるということもありません。分離感を高めようとしすぎて、音が完全に離れてしまいまとまりがなくなることもあります。
本機にはそのようなことがなく、しっかりと音のまとまりも感じられるので、適度に分離缶が高いといった印象です。
ANCのノイキャン性能が高い
本機は、最大40dBのノイズ低減性能があります。
低周波数のノイズと高周波数のノイズをカットし、全体を抑えている仕組みです。このため、ANCをオンにするとかなり静かになります。
電車通勤での車内アナウンスは全く聞こえないといったことはないものの、読書などに意識を集中させているとわからなくなる程度には静かです。
外出先でノイズを抑えたいとき、外で作業するときなどには非常におすすめ。
さらに、本機には3つのノイズキャンセリングモードがあります。
- 交通機関モード:交通機関の低周波ノイズを除去
- 屋内モード:会話、キーボード、エアコンなどの中高周波ノイズを低減
- 屋外モード:全チャンネルレベルノイズを低減
このようにシチュエーションごとにモードがありますが、これは段階のようなものです。
交通機関モードは比較的弱め、屋内モードになるとノイズを遮断するレベルになります。屋外モードは、低周波・高周波ともにカットしつつ全体を抑えるという強いレベルです。
シチュエーションごとに使い分けるのも、純粋な除去レベルとして使い分けるのもおすすめ。
6000円前後でこれだけの機能を搭載しているイヤホンは、ほかになかなかありません。同価格帯トップクラスのANC性能です。
この値段でアプリ操作もできるのが最高
QCY HT05は、本体のタップ操作だけでなくアプリ操作もできます。
アプリでは各ボタンの割り当てや、音のバランス調整などの設定が可能です。もちろん、再生停止などの操作も可能。
タップ操作は便利ですが好みが分かれるので、アプリでも操作や設定ができるのは嬉しいところです。
そのうえ、割り当ても変更できるのが好印象。元の割り当てでは覚えにくいというケースもあるので、自分が使いやすいようにカスタマイズできるのはいいことです。
装着感が良好で違和感がない
QCY HT05の装着感は、かなり良好です。
長時間つけていても、特に違和感がありません。作業中や読書中などはつけていることを忘れて没頭できるので、集中のためにノイキャンしたり音楽を聴いたりしたい方にはぴったりです。
そのうえ、歩いていても落ちにくいのがいいところ。格安ワイヤレスイヤホンは合うイヤーピースを着けていても、歩いているときに落ちる製品が結構あります。
完全ワイヤレスイヤホンは外出時に使うことが多いので、ここは非常に好印象です。
アプリで細かな設定が可能
QCY HT05は専用アプリにて音質やモードなどの細かな設定が可能です。
個人的には外出先でイヤホンを利用する際に外音取り込み機能をよく使うのですが、外音取り込みのレベルを調整できるのが非常にありがたいと感じました。
もちろんファームウェアのアップグレードにも対応しているので、保守性にも優れています。
QCY HT05 Melobuds ANCのイマイチな点をレビュー
QCY HT05 Melobuds ANCの良いところについて、レビューしてきました。もちろん、良いところもあればイマイチなところもあります。そこで今度は、QCY HT05 Melobuds ANCのイマイチなところをレビューしていくので、ぜひご参考ください。
圧倒的にノイキャンが強いわけではない
メリットにてノイキャン性能が高い旨をお伝えしましたが、ノイズキャンセリングにの強さのみにこだわるユーザーには向いていません。
ノイズキャンセリングモードにしていても電車の中でのアナウンスなどの外音は多少入ってきますし、道路で車の音なども拾います。
私自身は程よいノイキャンと感じていますが、外部の音を全て遮断したいユーザーにはお勧めできません。
タッチパネルの操作性は好みが分かれる
本機は、本体をタップすることにより操作を行うタイプです。この操作性は、好みが分かれるところ。
そもそも、タップという操作方法自体が好みが分かれます。タップすると振動がイヤホンから耳に伝わるので、どうしても気持ち悪く感じてしまうという方も少なくありません。
そのうえ、本機は「1回押すと機能が呼び出される」ということがないのが特徴です。
「1.5秒押し続ける」「2回タップする」「3回タップする」という操作が、本機では基本となります。
ほかのイヤホンでは「1回押して再生/停止」という製品も多いので、ワイヤレスイヤホンに慣れている人ほど戸惑う可能性が高いです。
ただ、1回押すだけで機能が呼び出されないのはいいところでもあります。たとえばちょっと触れただけで意図せず停止されてしまったり、次の曲に行ったりすることがありません。
意図しない挙動をしにくいという点では、メリットです。
それでも好みが分かれる部分ではあるので、注意しましょう。
他のイヤホンとの比較
QCY HT05 Melobuds ANCの使い勝手や音質を比較する上で、SOUNDPEATS Capsule3 Proと比較を行いました。
Capsule3 Proはハイレゾ・LDACに対応したノイズキャンセリング対応のカナル型ワイヤレスイヤホンで高いコスパから非常に人気の高いイヤホンです。
いくつかのポイントを比較していきましょう。
価格
価格はHT05が6,580円、Capsule3 Proが8,480円とHT05の方が1,900円ほど安価。
デザイン
デザインではHT05がブラックで統一しつつ黒に近いグレーでの印字、Capsule3 Proはブラックとピンクゴールドのコラボデザインになっているため、よりシックな物を好むユーザーにはHT05が合います。
Capsule3 Proのピンクゴールドも綺麗なのでデザイン的には好みが分かれそうです。
音質性能
性能的な差はCapsule3 ProがLDACに対応しているのに対してHT05はLDACに対応していないこと。
HT05の対応コーデックはSBC / AACです。iPhoneと接続する分にはCapsule3 ProでもHT05でもどちらでもOKですが、LDACに対応したDAPやAndroid端末でリスニングする際はCapsule3 Proに軍配が上がります。
防水耐性
防水性能はCapsule3 ProのIPX4に対してHT05はIPX5の防水性能を誇ります。
IPX4と5の違いは生活防水レベルの性能か、しっかりと水をぶっかけても大丈夫かの違いがあり、IPX5クラスになると雨で使用しても故障を気にする必要がありませんし、後で水洗いも可能です。
外音取り込み性能も高いので、ランニングユーザーには重宝するスペックです。
音の方向性
続いて音の方向性です。
どちらも低音が強調されており元気になれる音を出しますが、その中でもCapsule3 Proの方が全体的位にウェットで生温かい印象、HT05の方が原音に忠実な印象を受けるとともに乾き切った感もなく、バランスの取れた音を出す印象です。
Capsule3 Pro、HT05ともに1万アンダーのイヤホンでは素晴らしい音を表現しますので、好みによる部分が強いと感じます。
QCY HT05 Melobuds ANCはこんな方におすすめ!
- 格安で音質がいい無線イヤホンが欲しい方
- ANC機能を使って作業などに集中したい方
- 通勤通学中のサブ機としてANC搭載イヤホンを探している方
- はじめてワイヤレスイヤホンを購入する方
本機は、通常は6600円程度で販売されています。Amazonなどセール時は30%オフになった実績もあり、非常にお得です。
6000円台の完全ワイヤレスイヤホンとして考えると、本機はクオリティがトップクラスで高いと言えます。音質面にも優れており、そのうえANC性能も高いです。
格安で音質がいい無線イヤホンが欲しい方だけでなく、ワイヤレスイヤホン入門機を探している方にもおすすめですよ。
まとめ|コスパ最高の普段使い用イヤホン
ここまで、QCY HT05 Melobuds ANCについてレビューしてきました。
本機は、コスパが圧倒的に高いです。音質が同価格帯のなかでは良く、防水性能・ANCに関しては1万円越えのイヤホンと比べても遜色ありません。
作業用BGMを聞き流す用途でも、ラジオ視聴でも、ゲームでも使いやすいです。ANCがあるので、カフェでの作業や読書の集中力向上目的にも最適。
コスパ最高の普段使い用イヤホンを探している方には、非常におすすめですよ。