昨今は配信をする人が増えてきています。雑談配信やゲーム配信などをするのがある種当たり前のようになっており、マイクの需要も高いです。
配信だけでなくボイスチャットや、テレワークなどで良いマイクを使う人も多くなっています。
今回紹介するのは、SHURE MV7というマイクです。イヤホン・マイクでお馴染みのSHUREから発売された幅広く使えるダイナミックマイクで、マイクに詳しくない方でも安心して使えます。
そんなSHURE MV7のスペックや音質などについてレビューしていくので、ぜひご参考ください。
なお、本記事を執筆時SHURE MV7の後継モデルである、MV7+が発売されていますので、ご購入の際は最新モデルのMV7+をお勧めします。
SHURE MV7のスペックとデザインをレビュー

SHURE MV7は、USB接続も可能なダイナミックマイクです。PC・スマホなどで使うことを前提にして、作られています。まずはそんなSHURE MV7のスペック・付属品・デザインについて、見ていきましょう。
基本仕様
- 種類:ダイナミック型(ムービングコイル方式)
- 指向性:単一指向性
- ビットレート/サンプルレート:16bit/44kHz~、24bit/48kHz
- ゲイン幅:0to+36dB
- ヘッドホン出力:3.5mm
- 端子:Micro-B USB/XLR
- マイクミュートスイッチ搭載
- タッチパネル搭載
- 専用ソフトウェア対応
- マウントタイプ:5/8インチ27ねじマウント
種類のところにあるムービングコイル方式というのは、コイルを使った設計様式の一種です。振動板にコイルが付けられていて、その後ろに磁石が設置されています。
振動板が振動して磁界の中でコイルが動き、電気信号が伝わる仕組みです。ギターなどのピックアップマイクと似た構造で、歪みの発生が少なく大入力に強いのが特徴となっています。
大きな音を録音したり、大声を出したりしても大丈夫な設計になります。
さらに、SHURE MV7はソフトウェアコントロールでゲイン幅を調整可能。タッチパネルも搭載しており、パネル操作でマイクのミュートができるなど便利な点が多いです。
スペック的には、総じて使いやすいマイクだと言えます。
付属品

- 本体
- MicroB-USB-Cケーブル
- MicroB-USB-Aケーブル
- 5/8-3/8変換ネジ
- クイックスタートガイド
- 保証書類
付属品は非常にシンプルですが、痒いところに手が届いています。
スマホでも使えるとしているマイクの多くは、MicroB-USB-Cケーブルを付属していません。自分でAtoCコネクタを購入するか、対応するケーブルを別途購入する必要があることがほとんどです。
SHURE MV7にはUSB-Cに接続するためのケーブルもついているので、別途購入の必要がなくスマホに接続できます。
ただし、iPhoneのLightningは付属しません。
さらに、マウントの変換ネジも付属しています。ここまで気が利いている製品は、珍しいです。
デザイン・外観

タッチパネル搭載なので変わった見た目になるかと思いきや、デザインは非常にシンプルです。程よく光沢がありながらも若干マットな質感の本体で、どこかかわいらしい印象を受けます。

脱着式のポップガードが付属するので、これを付けるとなおかわいらしいです。ダイナミックマイクは湿気に少し強いですが、ポップガードはあったほうが便利。

タッチパネルは主張せず、控えめでありながら良いアクセントになっています。電源オンにしたときのインターフェース類のライトも、派手すぎず見栄えが良いです。
SHURE MV7の良いところをレビュー!
SHURE MV7のスペックと付属品、デザインについて見てきました。シンプルかつクオリティが高いという感じのスペックとデザインでしたが、大事なのは実際の使用感ですよね。そこで今度は、SHURE MV7の良いところについてレビューしていきます。
単一指向性だから環境音が入りにくい

SHURE MV7は、環境音が入りにくいです。
たとえばゲーム中のキーボードの音などは、マイクに近づけていたり音の大きなキーボードだったりしない限りはあまり気になりません。他にも日常的な動作による生活音、外の音などの環境音もあまり入らないので非常に使いやすいです。
これは、単一指向性であることに理由があります。
単一指向性のマイクは、一方向のみの音を拾うのが特徴です。マイクの前方からの音のみを拾うので、マイクに入れたい音だけを的確に拾ってくれます。
ただ、単一指向性でも製品によってどれだけ環境音が入るかは変わってくるので、そこはSHURE MV7の設計が巧みである証拠です。
操作性が良くWeb会議でもゲームでも使いやすい

SHURE MV7は、操作性に非常に優れています。
本体上部のタッチパネルで音量のアップダウン・マイクミュートと解除ができ、これが非常に使いやすいです。

タッチパネルの感度も敏感すぎず、鈍感すぎず程よい塩梅になっています。ふとした拍子に触れてしまうような位置でも無いので、安心です。
さらに、専用ソフトからの操作もできます。

ソフトウェアではボリューム調整とマイクミュート以外も操作できるので、非常に便利です。アプリの操作感も非常にわかりやすく、初心者でもあれこれ弄って楽しめます。
設定項目も、非常に細かいです。マイクポジションを設定できたり、トーンを設定できたりします。トーンは自然か暗いか、明るいかを設定可能。基本的には明るい(Bright)に設定しておくと、声が聞き取りやすくなるのでおすすめです。
ノイズが小さくクリアな音質
ソフトウェアではボリューム調整とマイクミュート以外も操作できるので、非常に便利です。アプリの操作感も非常にわかりやすく、初心者でもあれこれ弄って楽しめます。
設定項目も、非常に細かいです。マイクポジションを設定できたり、トーンを設定できたりします。トーンは自然か暗いか、明るいかを設定可能。基本的には明るい(Bright)に設定しておくと、声が聞き取りやすくなるのでおすすめです。
PCでもスマホでも使える

SHURE MV7は、PCでもスマホでも問題なく使えます。
USBマイクなのでPC利用を前提に作られており、PCとの接続には全く問題がありません。
PCソフトウェアも非常に使いやすく、PCマイクとして非常にクオリティが高いです。
サイズもそれほど大きくはなく、インテリアの邪魔をしないデザインでずっと置いておくこともできます。
さらに、付属のMicroBtoType-Cケーブルを使えば、Androidスマホとの接続も可能。
スマホにも専用アプリがあり、アプリ内で設定・録音もできます。スマホの音声配信アプリの収録にも使えるので、非常に便利です。
SHURE MV7があれば、あらゆる場面で活用できます。
XLR接続ができる

SHURE MV7は、XLR接続が可能なのも良い点です。
XLRとは音響機器同士を繋ぐケーブルの規格で、キャノンケーブルとも呼ばれます。マイクをはじめとして、オーディオインターフェイスなどさまざまな機器で共通の規格となっており、XLRケーブルを使うことであらゆる音響機器同士を接続できるのが特徴です。
スピーカー、オーディオインターフェイス、プリアンプにも使われています。
XLR接続ができるUSBマイクは、実はあまり多くありません。PCと接続することを第一に考えているUSBマイクでは、音響機器同士の接続はあまり重視されていないのでしょう。
ただ、XLR接続ができるとオーディオインターフェイスに接続して音質を改善したり、入出力を同じ機器で管理できたりと非常に便利です。

特にゲーム配信や音楽配信をする人にとっては、XLR接続ができるマイクを選ぶと幅が広がるのでおすすめですよ。
XLR接続とUSB接続の併用がとにかく便利

MV7を使用していて便利に感じているのが、XLRとUSBの同時接続が可能であることです。
私のPC使用用途は、Macが業務、Windows PCでゲームという形で使っており、MV7は仕事のウェブ会議にもゲームのボイスチャットにも使用しています。
MV7は、MacとUSB接続しつつ、Windows PCとはXLR接続されている状態で使用しており、いつでもすぐに切り替えられるのが非常に便利です。
SHURE MV7の気になるところをレビュー!
ここまで、SHURE MV7の良いところについてレビューしてきました。ただ、良いところだけではありません。もちろん、気になるところもあります。そこで今度は、SHURE MV7の気になるところについてレビューしていくので、ぜひご参考ください。
音が小さい

SHURE MV7は、単体だと音が小さいです。
ダイナミックマイク特有の小ささもありますし、感度がUSBで-47dBFPと低めに設定されていることも理由としてあります。オーディオインターフェイスを経由しないと、音量が足りない場合があるので気をつけましょう。
私は最適な音量を確保するために以下の2機種で試しました。
一つ目は、上の写真の CLASSIC PRO/CSB1インライン・マイク・ブースター です。
CLASSIC PROのマイクブースターは、簡易的なマイクアンプです。マイク信号を+26dB増幅してくれます。ダイナミックマイクとの相性が良く、SHURE MV7の音をしっかり上げてくれるのが魅力です。
約4000円程度と安価な割にはしっかりと効果を感じられますし、歪みやノイズもないので非常に高コスパ。

ただCLASSIC PROのマイクブースターは、あくまでゲインを補うシンプルなインラインアンプであり、音をできるだけフラットなまま持ち上げる設計です。
結局現在はPreSonusのTUBE Per V2というマイクプリアンプを購入して音を増幅しています。

TUBE Pre V2は、真空管による温かみのあるアナログサウンドが魅力のマイクプリアンプです。ファンタム電源やハイパスフィルター、ゲイン調整機能を備えており、使い勝手も良好で、手放せなくなりました。
SHURE MV7の音を増幅させたくて、少しでもコスパが高い製品がほしいという方にはCLASSIC PROがおすすめ、CLASSIC PROでは音量が物足りない、機能的にもこだわりたい方はPreSonusのTUBE Per V2などのマイクプリアンプを検討するのが良いかもしれません。
別途マイクアームが必要

SHURE MV7には、マイクスタンドが付属しません。
そのため、実際に使う際には別途マイクスタンドやマイクアームを購入する必要があります。USBマイクはスタンドを付属させる製品が多いですが、単一指向性のダイナミックマイクだとアームのほうが便利なので付属させなかったのかもしれませんね。
クランプ式のマイクアームなら場所も取りにくく、付け外しも簡単なのでおすすめです。
安価なものなら2000円程度、評価が高く高クオリティなものでも1万円程度あれば購入できるので、あわせて購入しておきましょう。
重さが気になる

SHURE MV7は、意外と重めのマイクで土台と合わせて約550gあります。
マイクアームは、マイクを掴んで宙に浮かせる道具です。当然、アームの力が強ければ支える力も強くなります。アームが弱ければ、重いマイクだと耐えきれず少しずつ位置が下がっていったりすることがあるので、注意しなければなりません。
あまりに安すぎるマイクアームだと、SHURE MV7は支えられない可能性があります。
端子がマイクロUSB

細かいところですが、端子がマイクロUSBなのが気になります。
USBでPCと接続する際、ケーブルの使い回しがしにくいのが不便なところ。繋ぎっぱなしなら問題はありませんが、繋いだり外したりしたい場合には少し注意しないといけません。
ただ、マイクアンプやオーディオインターフェイス類と繋げる人にとっては、そこまで気にしなくて良いポイントです。
最新モデルのMV7+はType-Cなので、これから購入する方は特に気にする必要はありません。
SHURE MV7のレビューまとめ

今回は、SHURE MV7の音質や使い勝手などについてレビューしてきました。
ノイズが少なく環境音も入りにくく、非常にクリアな音が特徴的。届けたい音を、届けたい相手に確実に届けられます。音量が小さいのがネックですが、マイクアンプなどを使うことによって解決可能です。
それ以外には目立った欠点もあまりなく、総じて非常に高クオリティなマイクだと言えます。
高性能なUSBマイクが欲しいという方には、非常におすすめですよ。