Edifier T5sは、現在使用しているオーディオシステムと組み合わせることで、映画や音楽の重低音を大幅に強化できるアクティブサブウーファー。
8インチの大型ウーファーと70Wのパワーで、35Hzまでの深い低音を再現。本格的なサブウーファーながら、接続は比較的シンプルで、私のようなサブウーファー初心者でも導入することができました。
自動スタンバイ機能やDSP処理での音質調整など、現代的な機能もしっかりと搭載されており、既存のオーディオ環境を確実にレベルアップしてくれる製品です。
今回EdifierさんからこちらのT5sを提供いただきましたので、実際に導入してみた体験をベースに、音質や使い心地をレビューしつつ、導入時にハマったエピソードなどもお伝えしていきます。
サブウーファーの導入を検討されている方は、ぜひ読み進めてください。
環境と接続構成

T5sは単体では使用できないアクティブサブウーファーのため、既存のオーディオシステムとの組み合わせが重要になります。まず、今回のレビューにあたり私が使用したT5sの機器構成について詳しく紹介いたします。
オーディオソース(今回の場合はPCとDAC)
- PC: マウスコンピューターDAIV
- DAC: PreSonus Quantum ES 4
(ES 4はオーディオインターフェースですが、DACとしても優秀な製品のため今回はDAC用途で使用)
メインシステム構成
- プリメインアンプ: Marantz PM6007
- メインスピーカー: Wharfedale diamond 12.0
接続方法

PC → PreSonus Quantum ES 4 → Marantz PM6007 → Wharfedale diamond 12.0という音声信号の流れで構成。

そして、Marantz PM6007の背面にある「SUBWOOFER PRE OUT」端子から、RCAケーブル1本でEdifier T5sの「Signal In L」端子に接続。
[ PC -> PreSonus Quantum ES 4 ] -> [ Marantz PM6007 (入力) ]
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+—–> [ Wharfedale diamond 12.0 ] メインスピーカー
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+—–> [ Edifier T5s ] サブウーファー(SUBWOOFER OUTから)
この構成により、PM6007のボリューム操作でメインスピーカーとサブウーファーの音量が連動するため、使いやすいシステムになりました。
Edifier T5sの基本的な仕様
続いてEdifier T5sの基本的な仕様について紹介していきます。スペックとデザイン、入出力端子の構成、付属品についてそれぞれ簡単に紹介するので、気になる方はぜひご参照ください。
Edifier T5sのスペック
- 出力: 70W(RMS)
- ドライバーユニット: 8インチ(220mm)ロングスローウーファー
- 周波数応答: 35Hz~115kHz(※公式サイトの表記。一般的には115Hzの誤記と思われる)
- 信号対雑音比: ≧85dB(A)
- 入力端子: RCA(Signal In/Out)
- 入力感度: 150 ± 20mV
- 外形寸法: 399mm x 170mm x 400mm(横幅×奥行×高さ)
- 重量: 約10.38kg
- キャビネット: 18mm厚MDF(中密度繊維板)
8インチというのは、サブウーファーとしては標準的なサイズ。ただし一般的なPC用スピーカーの2~3インチと比べると、その迫力は格段に違います。
35Hzまでの低音域をカバーするということは、映画の爆発音や音楽のベースラインをしっかりと再現できる本格的な性能を持っていることになります。
Edifier T5sのデザイン

T5sは木目調で落ち着いたデザイン。リビングルームに設置しても違和感のない上品な外観です。
フロントには8インチの大型ウーファーが配置されており、その存在感は十分。

ウーファーコーンは黒色でシックな印象を与えてくれます。

背面には各種調整用のつまみと入出力端子をレイアウト。VOLUMEとCROSSOVERのつまみが大型で操作しやすく設計されているのが好印象です。
全体的にスリムなキャビネット設計となっており、大型サブウーファーの割には設置場所を選ばないのも魅力的なデザインです。
Edifier T5sの付属品

- 電源ケーブル
- 3.5mm to RCA オーディオケーブル
- RCA to RCA オーディオケーブル
- 取扱説明書
- 安全のための注意事項
接続に必要なケーブル類が一通り同梱されているため、ほとんどの環境では追加購入なしで使い始めることが可能。
私の環境でもRCA to RCAケーブルが付属していたおかげで、プリメインアンプとの接続がスムーズに行えました。
Edifier T5sの接続構成

Edifier T5sの接続方法は主に2パターンあります。
接続方法①:専用サブウーファー出力がある場合
使用しているアンプにサブウーファー専用の出力端子(SUB OUT等)がある場合は、その端子をT5sのSignal In端子に直接接続できます。今回は幸いPM6007にサブウーファー出力があったため、この方法で接続しました。
[ PC -> PreSonus Quantum ES 4 ] -> [ Marantz PM6007 (入力) ]
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+—–> [ Wharfedale diamond 12.0 ] メインスピーカー
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+—–> [ Edifier T5s ] サブウーファー(SUBWOOFER OUTから)
接続方法②:専用出力がない場合
スピーカーシステムにサブウーファー出力がない場合は、T5sをオーディオソース(今回の場合はPC+DAC)とスピーカーシステムの間に接続する形になります。オーディオソース→T5s(Signal In)→メインスピーカー(T5sのSignal Out経由)という構成。
どちらの方法でも接続可能ですが、方法①の方がシンプルで音量調整も連動するためおすすめです。
Edifier T5sの良いところをレビュー
これまでEdifier T5sの基本仕様や接続方法について紹介してきました。8インチウーファーと70W出力による本格的なスペックを持ち、接続も比較的シンプルで導入しやすい構成となっています。
ただ、それだけではわからないこともあります。そこで今度は、実際に使用して感じたEdifier T5sの良いところについてレビューしていくので、ぜひご参照ください。
圧倒的な重低音の迫力と深さ

Edifier T5sを導入して最も印象的だったのは、家庭環境でも本格的な重低音がしっかりと楽しめる点です。
8インチの大型ウーファーによる重低音の表現力は格別で、今までの単体のスピーカーシステムでは感じられなかった低音の深さと力強さを得られます。
映画のアクションシーンでは、爆発音やエンジン音がしっかりと体に響いてきて、映画の臨場感が一段と向上しました。
もちろん音楽鑑賞においても明確な違いを感じられます。ジャズのウッドベース、ロックのエレキベース、電子音楽のシンセベースなど、どのジャンルでもベース音がより立体的で厚みのある表現になります。
35Hzまでの低音域をカバーすることで、今までのシステムでは聞き取れなかった音域の情報まで感じ取れるようになったのは最大の収穫です。
DSP処理による自然な音質調整
Edifier T5sには、この価格帯のサブウーファーとしては珍しくDSP(デジタル信号処理)が搭載されており、これがメインスピーカーとの音の繋がりを非常に自然にしてくれます。
DSPの最大の利点は、アナログ回路では実現困難な急峻で正確なフィルター処理が可能なこと。
これにより「この周波数から上は絶対に再生しない」という明確な区切りを作ることができ、メインスピーカーの音域と無駄に重複することを防げます。
その結果、安価なサブウーファーでよくある「低音だけが別の場所から鳴っている」という違和感が全くありません。まるでメインスピーカーがそのまま下の音域まで自然に伸びて鳴っているかのような、一体感のある音場を実現してくれます。
特に重要なのがCROSSOVERつまみ(ローパスフィルター)の存在。
これで「設定した周波数よりも低い音だけを再生する」という音の分担点を決められます。
今回組み合わせたWharfedale diamond 12.0は、カタログスペックでは70Hzまで再生可能とされていますが、実際に豊かで自然な低音を鳴らせるのは80Hz程度から上の帯域。
そのため80Hz付近でサブウーファーにバトンタッチさせることで、効果的で自然な音の繋がりを実現できました。
便利な自動スタンバイ機能

15分間音声信号が入力されないと自動的にスタンバイモードに移行する機能が非常に便利。
メインシステムの電源を切った後に、わざわざEdifier T5sの電源を手動で切る必要がないため、日常の使い勝手が向上。音楽再生を再開すると自動で復帰するため、ストレスなく使用できます。
省エネルギーにも貢献する機能で、日常使いでの利便性を大幅に向上させてくれます。
シンプルで分かりやすい操作系

Edifier T5sの背面の操作部分はシンプルで直感的な設計。
VOLUMEつまみでサブウーファーの音量を調整し、CROSSOVERつまみでカットオフ周波数を設定するだけで基本的な調整が完了。つまみも適度な重さがあり、精密な調整が可能です。
電源スイッチも大型で視認しやすい位置に配置されているため、操作に迷うことはありません。
省スペースでありながら本格的な性能

T5sは大型サブウーファーとしては比較的コンパクトな設計で、狭めの環境でも設置しやすいサイズ。
それでいて8インチウーファーと70W出力による本格的な性能を実現しており、スペース効率の良さも好印象です。
18mm厚のMDFキャビネットにより共振も効果的に抑制されており、コンパクトながら高品質な音を実現しています。
Edifier T5sの気になる点をレビュー
T5sの良いところについてレビューしてきました。重低音の迫力があり、DSP処理による自然な音質調整、便利な自動スタンバイ機能など、魅力が非常に豊富な製品です。しかし、もちろん気になる点も一部にはあります。
近隣への騒音配慮が必要

T5sの重低音は非常に迫力がありますが、それゆえに近隣への騒音配慮が重要。
特に低音は壁を透過しやすく、夜間の使用や集合住宅での使用では音量調整に十分な注意が必要です。
設置場所や使用時間帯を考慮し、近隣に迷惑をかけない範囲での使用を心がける必要があるでしょう。
私は一軒家に住んでおり2階に設置しましたが、ボリュームを上げ過ぎてしまうと、1階にも振動伝わってしまうため、家族がいる時間帯は配慮したボリューム設定にしています。
単体使用ができない仕様

Edifier T5sはアクティブサブウーファーであるため、メインスピーカーやアンプなしでの単体使用は不可能。
これは製品の性質上当然のことですが、購入前に既存のオーディオシステムとの互換性を十分に確認する必要があります。
まず確認しておきたいのは、使用しているアンプにサブウーファー出力(SUB OUT)があるかどうか。これがあれば最もシンプルに接続できます。
もしSUB OUTがない場合でも、プレーヤーとアンプの間にEdifier T5sを接続する(ライン入力/出力端子を使う)ことが可能なため、ご自身のシステムでの接続方法を事前に確認しておくことが大切です。
導入にあたってのエピソード
Edifier T5sを導入する際、いくつかの課題に直面しました。サブウーファー初心者だった私の体験談として、ぜひ参考になれば幸いです。
安易にサブウーファーを導入できると考えていた

当初は手持ちのEdifier M60に直接接続できると考えていました。同じEdifierブランドのアクティブスピーカーであり、アンプも内蔵されているため、サブウーファーとの接続も可能だろうと安易に想定していた気がします。
また、音源はPCから直接出力するつもりでいたため、別途DACやプリメインアンプが必要になるという発想もありませんでした。
実際に製品が到着し設置し始めてみると、M60にはサブウーファー専用の出力端子が存在しないことが判明。

Edifierさんからレビューのご依頼をいただいた段階で、自宅のオーディオ環境を確認しておく必要があることに気づかされました。
改めて調べ直してみると、アクティブサブウーファーは基本的にプリメインアンプやAVアンプのサブウーファー専用出力端子に接続するものだということを理解。
幸い、手持ちのMarantz PM6007には「SUBWOOFER PRE OUT」端子が備わっていたため、接続が可能であることが確認できました。

さらに私の環境では、DAC(PreSonus Quantum ES 4)やアンプに接続するスピーカー(Wharfedale diamond 12.0)も既にあったため助かりましたが、もしPC用アクティブスピーカーしか持っていなかったら、追加で機材を揃える必要があったはずです。
これからサブウーファーを検討される方は、自身のオーディオ環境を確認して、事前に接続構成を理解しておくことが大切です。
Edifierさんのマニュアルには接続できるスピーカーのリストもありますし、別の会社のスピーカーと合わせるのであれば、保有しているDAC、アンプ、スピーカーをGeminiやChatGPTに投げてEdifier T5sとの接続方法を確認することをお勧めします。
このあたりの相談はGeminiが圧倒的に強いように感じます
RCAケーブルは1本だけでよいのか?

サブウーファー導入でもう一つ悩んだのが、接続ケーブルの問題。
手持ちのRCAケーブルは赤・白の2本セットになっているのに、アンプのサブウーファー出力(SUB OUT)は1つだけ。そしてサブウーファーT5s側は赤・白2つの入力口があります。
ケーブルは1本だけ接続すればよいのか、それとも何か特別なケーブルが必要なのか分からず困りました。
調べてみると、サブウーファーへ送られる信号はモノラルなので、RCAケーブルの片方だけを使用すれば十分ということが判明。しかし疑問に感じたのは、Edifier T5s側には赤・白の入力端子が2つとも用意されていることでした。
この理由は、アンプによってはモノラルの「SUB OUT」ではなく、ステレオの「PRE OUT」しか搭載していない機種もあるためです。
そうした場合は左右両方のケーブルを接続して、サブウーファー側で低音成分をまとめて処理します。片方だけでは、もう片方のチャンネルに含まれる低音を取りこぼしてしまう可能性があります。
今回のPM6007には専用のSUB OUT端子があったため、RCAケーブルの片方だけをEdifier T5sの左側(L/LFE)端子に接続しました。もう片方のケーブルは使用せずに済みました。
なお、より迫力のある低音が必要な場合は、Y字型のRCAスプリッターケーブルを使用して1本の信号を2本に分岐し、Edifier T5s側の両方の端子に接続するという方法もあるようです。
この場合、入力レベルが向上してよりパワフルな低音が得られるとのことなので、近いうちに試してみたいと考えています。
こうした基本的な知識も、初めてサブウーファーを導入する際には理解しにくい部分だと感じました。
動作確認での苦労

接続が完了しても、正しく動作しているかどうかの確認に少し時間がかかりました。
サブウーファーの特性上、再生している音源に重低音成分が含まれていないと、ほとんど音が鳴りません。また、VOLUMEやCROSSOVERのつまみが最小値に設定されていれば当然音は聞こえない状態です。
そして、この問題をさらに分かりにくくしているのが、皮肉にもEdifier T5sの最大の長所である「DSPによる自然な音の繋がり」。
安価なサブウーファーにありがちな「いかにも低音が鳴っている」という不自然な響きがないため、注意深く聞かないとそもそもサブウーファーが動作しているのかどうかさえ認識するのが難しいのです。
これらの要因が重なるため「正しく接続できているのか、それとも故障なのか」の判断が非常に難しく、通常の音楽を再生しても明確な変化が聞き取れませんでした。
どれくらいの低音が鳴るのが分からないことが不安で、最初はつまみを低めに設定していたのも要因です
あれこれGeminiと相談しながら、最終的に低音が強そうな音楽を再生し、つまみを調整したりウーファーコーンに手を当て振動をチェックしたりすることで、初めて正常に動作していることを確認できました。
これらの経験を通して、サブウーファー導入には事前の知識と準備が重要であることを痛感しました。
こちらも私だけでなく、オーディオに慣れていない方が少なからず直面する課題だと感じます。
Edifier T5sはこんな方におすすめ!

- 映画やゲームで迫力ある低音を楽しみたい方
- 音楽のベースラインをしっかり聞きたい方
- サブウーファー専用出力を持つアンプを使用している方
- 比較的コンパクトなサブウーファーを探している方
- 自動スタンバイ機能など便利な機能を重視する方
Edifier T5sは、以上のような方々におすすめ。逆に、近隣や自宅での騒音を気にする必要がある環境や、深夜の使用が多い方は慎重に検討する必要があります。
Edifier T5sの最大の魅力は、8インチウーファーと70W出力による本格的な重低音を、比較的コンパクトなサイズで実現していること。
映画のアクションシーンでは爆発音やエンジン音が体に響く臨場感を味わえ、音楽鑑賞では今まで聞こえていなかった低音域の情報をしっかりと感じ取れるようになります。
特に、既にプリメインアンプやAVアンプにサブウーファー出力を持っている方であれば、簡単に接続でき、すぐに音質向上の効果を実感できます。
まとめ

Edifier T5sは、既存のオーディオシステムに追加することで音質を大幅に向上させることができる、優秀なアクティブサブウーファー。
8インチウーファーと70W出力による迫力ある重低音、DSP処理による自然な音質調整、便利な自動スタンバイ機能など、価格以上の価値を提供してくれるサブウーファーです。
導入時は接続方法の確認や動作確認で多少の手間がかかりますが、正しく設定できれば映画も音楽も一段良い音質で楽しめるようになります。
特に、低音域が大幅に強化されるため、音響環境への満足度がかなり上がります。
サブウーファーの導入を検討している方、既存の音響システムの低音を強化したい方は、ぜひ検討してみてください。