マウスコンピューターDAIV KMシリーズレビュー・クリエイティブに必要な性能を詰め込んだミニタワーモデル

マウスコンピューターから、コンパクトな筐体に高性能なスペックを詰め込んだクリエイター向けデスクトップPC「DAIV KMシリーズ」が登場しました。

従来のDAIVデスクトップ(FXシリーズ)は、性能はもちろん、拡張性、保守性、静穏性まで徹底的にこだわったフルタワーモデルとして人気を博していましたが、とにかく本体サイズが大きく設置スペースの都合で購入を見送っていた方も多いはず。

今回登場したDAIV KMシリーズは、ミニタワー型。クリエイティブ用途に必要なスペックを維持しながら、よりコンパクトにしたモデルです。

マウスコンピューターさんからご縁をいただき、実際にDAIV KMシリーズを試用する機会を得たので、使用感や性能、そしてフルタワー型の「FXシリーズ」との違いをレビューしていきます。

コンパクトで本格的なクリエイティブPCを探している方は、ぜひ読み進めてください。

本レビューはマウスコンピューター様から実機をお借りしてレビューしています。
記載価格は2025年7月24日時点の価格となります。

目次

DAIV KMシリーズとは?

まずDAIV KMシリーズの特徴、FXシリーズとの違いを簡単に解説していきます。どんな特徴をもったPCなのか気になる方はご覧ください。

DAIV KMシリーズの特徴

DAIV KMシリーズは、マウスコンピューターが提供するクリエイター向けブランド「DAIV」のミニタワー型デスクトップPCです。

フルタワー型のパフォーマンスや拡張性を可能な限り維持しつつ、作業スペースを広く保ちたいユーザーの声を受けて誕生しました。

コンパクトな形状ながらも高性能を実現し、動画・画像編集、マンガ・イラスト制作、3DCG、AI画像生成など、さまざまなクリエイティブ作業を快適にこなせるのが特徴です

DAIV FXシリーズとの違い

今回発売されたDAIV KMシリーズと従来のFXシリーズを比較すると、大きく下記の違いがあります。

  • DAIV KMシリーズ
    ミニタワー筐体にミドルハイレンジまでのCPU/GPUを搭載、適度な拡張性を両立したクリエイター向けPC。イラスト・動画編集・写真現像・AI画像生成など多彩な用途を幅広くカバーし、個人や小規模プロにも最適。
  • DAIV FXシリーズ
    フルタワーのハイエンドクリエイターPCで、高い性能/拡張性と冷却性能。同じ筐体で FWシリーズという業務向けワークステーションも発売されており、高負荷な3DCG・動画編集・AI研究用途、大規模プロジェクトにも対応可能な設計。

FXシリーズについてはこちらでレビューしてますのであわせてご覧下さい!

マウスコンピューターDAIV購入レビュー|動画/画像編集が快適!NVIDIA Studio認定クリエイター向けPC

KMシリーズとFXシリーズを並べ、わかりやすく差が出るのが筐体のサイズ。

FXシリーズは突起物含め約220×530×525㎜に対し、KMシリーズは約215×480×381㎜と、幅・高さ・奥行きともにコンパクトにまとめられています。

サイズ感としては下の写真がわかりやすいです。

配線周りがごちゃごちゃなのはお許しを!

重量も軽量化されたことから、FXシリーズのデザイン上の特徴であった取っ手とキャスターはKMシリーズでは省かれました。

続いて内部仕様の大きな違いとして、

  • CPUクーラー:FXシリーズの大半が水冷を採用しているのに対し、KMシリーズは空冷メインで水冷は一部
  • メモリスロット:FXシリーズは4スロット最大128GBに対し、KMシリーズは2スロット64GBまでの対応
  • 電源:FXシリーズが1200W電源まで選択できるのに対し、KMシリーズは850Wまで選択可能
  • 拡張ストレージ:FXシリーズがSSD・HDD合わせ最大4つのストレージを取り付けられるのに対し、KMシリーズは3つまで
  • ネットワーク:FXシリーズは10Gbps対応製品もあるが、KMシリーズは2.5Gbpsまで

などがあげられます。

左KMシリーズ、右がFXシリーズ。KMシリーズもUSBポートの数は豊富だが、FXシリーズと比較するとUSBの質に差が出ている。

他にもUSBポートの数やthunderbolt4ポートにも違いがあります。

KMシリーズ
DAIV KM-I7G7T
FXシリーズ
DAIV FX-I7G7T
USB3.0 (5Gbps)背面 Type-A×7
上面 Type-A×2
背面 Type-A×4
上面 Type-A×2
USB3.1 (10Gbps)上面 Type-C×1背面 Type-A×2
USB3.2 (20Gbps)上面 Type-C×1
Thunderbolt 4背面 Type-C×1 背面 Type-C×2
製品型番によって異なるため、購入時は公式の使用詳細を確認願います

DAIV製品の型番によって違いもありますが、KMシリーズはUSB3.0が中心であることに対し、FXシリーズではより高速なUSB3.1や3.2が用意されており、またThunderbolt 4の数も異なります。

こちらは筐体上部のインターフェイス。

KMシリーズ・FXシリーズともにType-Ax2、Type-Cx1のポートが配置されてます。FXシリーズのType-CポートはUSB3.2 (20Gbps)に対してKMシリーズのType-CはUSB3.1 (10Gbps)が採用されていました。

筐体内部。

FXシリーズが余裕を持った拡張性をカバーしているのに対し、KMシリーズは最低限の拡張性を担保しているといったところです。

通常のクリエイティブ用途であればKMシリーズでも十分なスペックを持ち合わせています。

ただ総じてFXシリーズよりも一回り下のスペックになっていることを理解して起き、購入時にはサイズ感だけで選ばず、必要な機能/性能を網羅しているかどうかをチェックしておくことをお勧めします。

マウスコンピューターDAIV KM-I7G6T をレビュー

ここまでマウスコンピューターKMシリーズについて概要を紹介してきました。ここからは今回お借りしたDAIV KM-I7G6Tをレビューをしていきます。スペックやデザインを詳しく紹介していきますのでチェックしてください。

DAIV KM-I7G6T のスペックを紹介

  • CPU:Intel Core Ultra 7 265
  • GPU:GeForce RTX 5060 Ti(16GB)
  • メモリ:32GB
  • スロット数/最大容量/メモリ形状:2(空き0)/最大64GB(32GB×2)/DIMM
  • メモリ動作:DDR5-5600
  • ストレージ:1TB NVMe Gen4×4 / TLC
  • CPUクーラー:空冷CPUクーラー
  • チップセット:インテルB860チップセット
  • ネットワーク:インテル イーサネット・コントローラー I226-V (100/1000/2.5G BASE-T)(RJ-45)
  • 無線:Wi-Fi 6E( 最大2.4Gbps )対応 IEEE 802.11 ax/ac/a/b/g/n準拠 + Bluetooth 5内蔵
  • 拡張スロット:PCI Express×16:2 (空き 1)
  • 拡張ストレージベイ3.5型:シャドウ(2.5インチ共用)×1 (空き 1)
  • 電源:750W/AC 100V(50/60Hz)【80PLUS® BRONZE】
  • 価格:税込289,800円

今回お借りした構成は、Core Ultra 7 265/32GBメモリ/1TB M.2 SSD/GeForce RTX 5060 Ti(16GB)を搭載した、税込289,800円の中上位モデル。

CPUとGPUは、どちらも高性能で最新のモデルが使われています。

KM-I7G6Tに搭載される Core Ultra 7 265は、従来のCore iシリーズから大きく進化した、最新のCore Ultra世代のミドルレンジモデル。


標準では 9cmFAN/ヒートパイプ式のオリジナル サイドフローCPUクーラーが採用されている
追加4,400円で12cmファンのCooler Master Hyper 212 Blackに変更も可能

従来のCore iシリーズと比べ、AI処理専用のNPUを内蔵しており、ノイズ除去や画像生成といったAI支援処理を効率よくこなせます。クリエイティブ用途での処理効率や快適性が一段と向上しています。

なお、フルタワー型のDAIV FXシリーズに搭載されている Core Ultra 7 265K(265のあとにKがつく型番)は、オーバークロックに対応しており、Core Ultra 7 265と比較すると長時間の高負荷処理やマルチスレッド性能では一段上のスペックになります。

しかし消費電力や発熱も大きく、静音性や筐体サイズとのバランスを重視するなら、KMシリーズではCore Ultra 7 265が現実的な選択肢だといえます。

続いてグラフィック処理を担当するGPUには、最新世代のRTX 5060 Ti(16GB)が採用されています。

RTX 5060 Ti(16GB)は、ミドルレンジ帯ながら大容量16GBのGDDR6メモリを搭載したGPU。

前世代のRTX 4060 Ti(16GB)と比較して演算性能自体は大きく変わらないものの、消費電力が抑えられ、最新アーキテクチャによるエンコーダー性能やAI推論効率の向上が図れていることで、生成AIやRAW画像・動画編集などにも使いやすくより安定した動作が可能になっているのが特徴です。

DAIV KM-I7G6T のデザインを紹介

続いてDAIV KM-I7G6T のデザインを紹介していきます。写真中心にレビューしていきますので本体形状から内部形状まで、気になる方は是非ご覧ください。

KMシリーズフロント斜めから。従来のデザインを踏襲し少し丸みを帯びた形状
サイドには大きくDAIVと書かれているが同じブラック系統の色なのでロゴが目立つことはない
全面
全体的に軽量化が図れているため従来のモデルにあった取っ手の穴はなくなり凹みだけになった
この凹みがあることで移動時に持ちやすい
背面。電源が上部に配置されていることが確認できる
背面のポート類。7つのType-A、1つのType-Cが配置。モニターとの接続はHDMI x 1、DP x 3となっている。
筐体上部に電源ボタンやUSBポートを装備。ポート類はスライドカバー式になっているのでホコリの侵入を防げる
スライドカバーを開けたところ。USBはUSB3.0 (5Gbps) Type-A x 2と、USB3.1 (10Gbps) Type-C x 1が装備
また、ヘッドホン出力とマイク入力の両方を兼ねる4極ミニプラグ対応の端子が配置されている
底面は効果的に熱を排出する空気循環の工夫がなされている。
樹脂製のメッシュカバーが装備されており、ホコリの侵入を防ぎ、丸洗い可能なためメンテナンス性にも優れている。
本機内部
ケース背面と上部から空気を排出するエアフローで、筐体内部を効率的に冷却している
本機DAIV KM-I7G6Tは空冷クーラー搭載モデルだがアイドリング時はもちろん負荷の高い作業時でも驚くほど静かで作業の邪魔にならない
GPUはVGAサポートバーによって支えられている。サポートバーによって重量のあるGPUの経年によるたわみやズレを防いでくれる
メモリースロットは2つ。4スロット無いのは気になるが32GBx2で64GBまでは増設できるのでたいていの場合は十分
反対側の内部構造。
非常に丁寧にケーブリングされており、マウスコンピューターの作業者のセンスとこだわりが伝わってくる

DAIV KM-I7G6T のパフォーマンスをレビュー

続いてDAIV KM-I7G6Tを実際に使用してどれくらいのパフォーマンスが出るのかをレビューしていきます。比較対象として、同じくDAIVのFXシリーズ(Core Ultra 7 265K + GeForce RTX5070Ti + 64GBメモリ)を使います。PCのスペックは下記となります。

CINEBEDNCH R23

右が本機 DAIV KM-I7G6T

CPU性能を測定するベンチマーク「CINEBENCH R23」で比較。

DAIV KMに搭載されているCore Ultra 7 265は、シングルコアスコアが2160ptsと、上位モデルのCore Ultra 7 265K(DAIV FX)とほぼ同等でした。

これは、日常的なアプリ操作や軽い作業でのレスポンスに違いが出ないことを意味します。

一方、マルチコア性能では差が大きくでました。

DAIV FX(265K搭載)は30,362ptsと非常に高く、KMモデル(24,398pts)に対して約24%上回る結果。

4K動画のエンコードや3Dレンダリングなど、CPUを総動員するような重たい処理では、Kモデルのクロック上限の高さがしっかり効いてくる印象です。

CINEBEDNCH 2024

右が本機 DAIV KM-I7G6T

続いて最新のベンチマークである「CINEBENCH 2024」でも、両CPUの傾向は変わりませんでした。

シングルスコアはどちらも132ptsで差はなく、普段のアプリ操作やブラウジング、Office作業などでは性能差を感じにくいはずです。

ただしマルチスコアでは、Core Ultra 7 265Kが1743pts、Core Ultra 7 265が1427ptsと、こちらでも約22%の開きが確認できました。処理の重い作業においては、やはりK付きモデルのほうが余裕があります。

3DMark Steel Nomad

続いてGPUベンチマーク「3DMark Steel Nomad」にて、本機以外に、RTX5080、RTX5070Ti、RTX5070の環境でテストしましたので並べて結果を紹介します。

DAIV KM-I7G6Tは、3DMark Steel Nomadにてスコア3527、平均35.28FPSを記録しました。

5080(8,216)、5070 Ti(6,575)、RTX 5070(5,112)と比較すれば、スコア的には下ですが、ゲームをはじめ様々なGPU処理でも安定した描画性能を発揮します。(上のモデルが強すぎます)

またRTX5060Tiの強みとして、これだけの性能を比較的低い消費電力(TDP約160W)で実現している点です。

実作業時の電力もおおむね150〜170W前後に収まりますので、静音性も確保できますし電気代も安く済みます。

合わせて上位GPUとの価格差を考慮すれば十分な性能で、RTX5060Tiモデルは性能、電力効率・静音性・コストなどのバランスが取れた選択肢といえます。

動画・画像の書き出し時間

続いてAdobe Premiere Proでの動画の書き出し、Adobe LightroomでのRAW書き出し時間を測定しました。ベンチマークするのはFHDと4Kの30分動画の書き出し時間をAdobe Premiere Proにて、RAW画像100枚の現像時間をAdobe Lightroomにて比較していきます。

※この検証はRTX5070を搭載したマウスコンピューターのNEXTGEARでも測定していますので、一緒に掲載します。

比較機(NEXTGEAR)
Ryzen 7 7800X3D RTX5070/16GB
比較機(DAIV)
Core Ultra7 265K RTX5070Ti/64GB
本機(DAIV KM-I7G6T)
Core Ultra7 265
RTX5060Ti/32GB
Adobe Premiere Pro
4K60P 30分動画書き出し
25分36秒15分35秒16分07秒
Adobe Premiere Pro
4K30P 30分動画書き出し
11分53秒7分17秒7分35秒
Adobe Premiere Pro
FHD60P 30分動画書き出し
6分2秒4分08秒4分12秒
Adobe Premiere Pro
FHD30P 30分動画書き出し
3分12秒1分53秒2分7秒
Adobe Lightroom
RAW画像100枚フルサイズJPEG書き出し
33.2秒19.5秒39.25秒
Adobe Lightroom
RAW画像100枚2000pxへAVIF書き出し
26.3秒44.0秒

Premiere Proの書き出しでは、上位構成のRTX 5070 Ti搭載モデル(Core Ultra 7 265K+64GB)より遅いものの、Ryzen 7 7800X3D+RTX 5070を大きく上回る結果に。

4K60Pの30分書き出しでは、KM-I7G6Tが16分07秒に対し、RTX5070を搭載したNEXTGEARが25分36秒と約9分以上の差をつけています。

また、Core Ultra7 265K RTX5070Ti/64GBを搭載した上位モデルに対して、動画の画像書き出し時間でさほど差が出なかったことも驚きました。

こちらCPU/GPUのスペックがKMシリーズのバランスに適しており、負荷と排熱を効率よく回せることが原因だと感じられます。

LightroomでのJPEG書き出しではメモリ容量やGPUの違いが影響したのか、ややスコアは劣りますが、AVIF書き出しも含めた実用的な作業時間の比較では、実力がしっかり数字に表れています。

※AVIF書き出し:ブログ用の画像にてAVIFを使用しています。

DAIV KM-I7G6T の良いところをレビュー

DAIV KM-I7G6T のスペックとデザインについて、解説してきました。今度は、DAIV KM-I7G6T の良いところについて、レビューしていきます。本機の性能や使い勝手などについて詳しく知りたい方は、ぜひご参考ください。

サイズがコンパクトでおしゃれ!デスク上に設置しても邪魔にならない

DAIV KMシリーズは、クリエイター向けPCらしいミニマルかつ洗練されたデザインが特徴です。

前面から側面にかけて一体感のあるフラットなパネルと、吸気スリットを兼ねたリブ構造が美しく、インテリアに馴染みやすい落ち着いたマットブラック仕上げも魅力。

上部には電源ボタンやUSB端子類がまとめられており、天板側に操作が集約されていることで、足元・机上のどちらに設置しても使いやすい点も好印象。

上面スリットは単なるデザインではなく、冷却効率を高める排気構造としても機能しています。

外観デザインはFXシリーズと共通する要素が多く、シリーズとしての統一感も高いです。

その中でKMシリーズはサイズが一回り小さく、FXシリーズに比べて設置や取り回しがしやすいのが特徴なので、複数のPCが必要なチームプレイではスペックによってDAIVを使い分けるのも良いかもしれません。

派手さはありませんがこだわりの詰まったデザインで、机上にも違和感なく設置できるデザインだと言えます。

アイドリング時はもちろん高負荷作業時でも静かで作業の邪魔にならない

DAIV KM-I7G6Tのアイドリング時・低負荷作業時のファン音は非常に静かで静音性の高さを感じます。

ファン音が邪魔してストレスになることはありません。

また高負荷作業時、空冷ファンの音が目立つタイミングもありますが、ゲーミングPCのようにずっとファン音が鳴り響くこともなく総じて静かです。

DAIV KM-I7G6Tは空冷CPUファンのため、騒音は心配でしたが想像以上に静かで驚きました。

Core Ultra 7 265 搭載で処理性能と速度が高い

DAIV KM-I7G6Tには、最新世代のIntel Core Ultra 7 265が搭載されています。

このCPUは、従来のCore i7シリーズとは異なり、AI処理に特化したNPUを内蔵しているのが特徴。20コア/20スレッド構成で、動画編集やRAW現像など、負荷の高いクリエイティブ作業にも余裕をもって対応できます。

ベンチマークテスト「CINEBENCH R23」では、マルチコアスコア16,683pt、シングルコア1,859ptと、前世代のCore i7-13700クラスを上回る性能を確認できました。

より高クロックな「265K」モデルと比べると性能を抑えられたモデルですが、その分発熱や消費電力が控えめで扱いやすく、安定動作を重視する方にはむしろ好印象。

冷却ファンの音も静かで、長時間の作業にも向いています。

グラフィック性能が高くクリエイティブ作業が快適

本機に搭載されているGPUは、NVIDIAのGeForce RTX 5060 Ti(16GB)。

ミドルレンジながらも新世代のAda Lovelace Refreshアーキテクチャを採用し、RTX 4060 Tiクラスを超える実力を発揮します。グラフィックスメモリが16GBと大容量な点も魅力で、大規模な画像編集や高解像度素材の動画編集でも安心です。

先のベンチでお伝えした通り、3DMark Steel Nomadベンチマークでは、スコア3,527/平均35.28FPS を記録。

また動画の書き出しテストではRTX 5070 Tiと比べても大きな差は広がらず、Ryzen 7 7800X3D+RTX 5070環境よりも優れたスコアを出しています。

※RTX5070環境との比較でRTX5060Tiが優ったのは、Ultra7 265 or Ryzen 7 7800X3Dの相性の差が大きい

このパフォーマンスに加え、最新のDLSSやAV1エンコーダ対応など、AI支援や映像配信にも強みを持つ構成となっており、幅広い用途で活用できます。

大容量なDDR5-5600メモリで作業が快適

DAIV KM-I7G6Tのメモリ容量は、標準で32GBです。拡張すれば64GBまで搭載できます。

さらに、メモリの規格がDDR5-5600なのも本機の良いところです。従来のDDR4-3200と比べて、データ転送速度が約1.8倍向上しています。データ転送速度が速いので、処理がより高速になるのが特徴です。

動画編集などの重い作業を行っても動作が安定しやすくなっています。

スロットが2つしかないのは残念ですが、たいていの作業は64GBもあれば十分なので、問題になることは少ないはずです。

Wi-Fi 6Eでオンライン環境が快適

DAIV KM-I7G6Tの無線規格は、Wi-Fi 6Eに対応しています。

Wi-Fi 6Eは、従来のWi-Fi 6を拡張した規格です。電波干渉の少ない6GHz帯の周波数帯域を使う規格なので、無線での通信がより安定します。家庭内でさまざまな無線機器を使っている場合でも、安心です。

オンライン環境が安定することで、インターネットやゲーム、またクラウドを利用した作業がより快適になります。

メンテナンス性能に優れている

DAIV KM-I7G6Tは、メンテナンス性に優れた設計が特徴です。

DAIV全般に言える特徴ですが、ケース底面にはフィルターが設置され、本体内部へのホコリの侵入を防いでくれます。

このフィルターは取り出しと水洗いが可能で、乾燥後に再利用できるため、定期的な清掃が容易です。ペットを飼っている方や、室内のホコリが気になる環境でも、内部の清潔さを保ちやすい構造となっています。

犬や猫などペットを飼っているとどうしても毛がPC内へ毛が侵入してしまいがちですが、侵入を最小限に抑えるとともに気軽に清掃できるのはありがたい仕様です。

DAIV KMシリーズ(KM-I7G6T)の気になる点をレビュー

DAIV KM-I7G6T の良いところについて、解説してきました。今度は、DAIV KM-I7G6T の気になるところについて、レビューしていきます。本機の性能や使い勝手などについて詳しく知りたい方は、ぜひご参考ください。

キャスターは欲しかった

DAIVといえばDAIV FXシリーズにある取っ手とキャスターが印象的です。

実際、私の利用シーンではDAIV本体を動かすケースが多く、取っ手とキャスターは大変重宝していました。

FXシリーズのキャスター。後ろの配線を繋ぎ直したり、周囲を掃除するのに非常に便利。

今回発売されたKMシリーズは、簡易的な取っ手はあるもののキャスターが無くなりました。

KMシリーズは重量がFXシリーズと比較して軽量化されているため、持って移動させることはできるのですが、それでも10〜12kg程度ありますので、そこそこのパワーは必要です。

クリエイティブ系の中でも用途によっては日々動かす使い方もあるので、キャスターがあれば良かったなと感じます。

設置面積はさほど変わらない

DAIV KMシリーズの最大の特徴はFXシリーズからのコンパクト化です。従来のフルタワーケースと比較して体積が約33%小さくなりました。

幅、奥行き、高さは下記のようにコンパクト化されています。

  • FXシリーズ:幅220×奥行き530×高さ525
  • KMシリーズ:幅215×奥行き480×高さ381

下の写真の通りかなりコンパクトになった印象はありますが、一番削られたのは高さ。

横幅は5mm、奥行きで50mmスリムになっただけのため、設置面積だと、さほどコンパクトにはなってない印象です。

とは言いつつ、これ以上コンパクトにしてしまうとクリエイティブPCにとって必要な拡張性に欠けてしまうため仕方ないところだと感じます。

見た目よりも設置場所は取られることは事前に理解しておくことをおすすめします。

上部インターフェイスのType-CはUSB3.2 (20Gbps)が良かった

本体上部にはType-A x 2、Type-C x1のUSBが配置されていますが、Type-CはUSB3.1 (10Gbps)規格になります。ここがFXシリーズではUSB3.2 (20Gbps)になります。

2025年時点、接続する外部デバイス(デジカメなど)の大半はUSB 3.2 Gen 2(10Gbps)までの製品が多く、20Gbpsが必要になることは稀ですが、高速な外部SSDを取り付けたりする際には、ボトルネックになってしまいます。

もちろん背面にThunderbolt 4(40Gbps)ポートが1つありますが、アクセスしやすい上部インターフェイスに高速なUSBが配置されていれば良かったかなと感じます。

マウスコンピューター DAIV KM-I7G6T はこんな方におすすめ!

  • コンパクトな高性能PCが欲しい方
  • クリエイティブな作業を快適に行いたい方
  • 画像編集や動画編集などをする機会が多い方
  • ゲーム比重はそこまで高くFHD・WQHDで性能が出れば良い方

マウスコンピューター DAIV KM-I7G6Tは、以上のような方々におすすめです。

CPUの処理性能とグラフィック性能が両方高いため、作業やゲームなど幅広く使えますし、最新のCPU/GPUを搭載しているため長く使用できるのも良いところです。

画像編集や動画編集、イラストレーターやグラフィックデザイナーなど高いグラフィック処理性能を必要とするクリエイターの方には非常におすすめのPCです。

まとめ

本記事では、DAIV KM-I7G6Tについてレビューしてきました。

本機の良いところは、作業向けの性能の高さです。クリエイターの方など、PC負荷の高い作業をする機会が多い方には適したPCだと言えます。

性能が高いだけでなく最低限の拡張性も確保し、これまでのDAIVよりも1/3ほどスリムになっているのも特徴。

そしてアイドリング時はもちろん負荷をかけた時でも静かな静音性など、細かい部分の気配りも高いです。クリエイターはもちろん高性能で静かなPCが欲しい方にもおすすめです。

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