オーディオテクニカAT2020は、定番の初心者向けコンデンサーマイクです。
初心者向けではありますが、USBではなくXLR接続でオーディオインターフェイスを介して使うのが前提なのが特徴。USBマイクよりも音質をよくしやすく、より本格的な環境で配信や通話が楽しめます。
本記事では、そんなオーディオテクニカAT2020の良いところと気になる点についてレビューしていくので、本機が気になっている方はぜひご参照ください。
オーディオテクニカAT2020の基本的な仕様

まずは、オーディオテクニカAT2020の基本的な仕様について、紹介していきます。AT2020のスペックとデザイン、付属品がきになる方はぜひご参照ください。
AT2020のスペック
- 型式:バックエレクトレットコンデンサー型
- 指向特性:単一指向性
- 周波数特性:20~20,000Hz
- 感度:-37dB(14.1mV)(0dB=1V/Pa、1kHz)
- 最大入力音圧レベル:144dB SPL(1kHz THD1%)
- ノイズ:20dB SPL(A特性)
- ダイナミックレンジ:124dB(1kHz at Max SPL)
- SN比:74dB(1kHz at 1Pa A特性)
- 出力インピーダンス:100Ω
- ファンタム電源:48VDC、2mA
- 出力コネクター:3ピンXLR-Mタイプ
- 外形寸法:長さ:160mm、本体最大径:52mm
- 質量:345g
以上が、オーディオテクニカAT2020のスペックです。
AT2020は、高感度で入力音圧レベルが高いのが特徴。入力音圧レベルは、マイクなどの音響機器が歪まずに記録できる最大の音圧のレベルのこと。144dBは、ジェットエンジンの近くなど、聴覚機能に重大な損傷を与える可能性のある程度の大きな音です。
そのくらいの音圧レベルまで歪まずに収録できるので、大声を出す方やマイクに口を近づけて話す方でも安心。
さらに、初期のインプットゲインが高めになっているので、設定を凝らなくても収録しやすいです。
AT2020のデザイン

オーディオテクニカAT2020のデザインは、シンプルです。
1万円台前半の価格帯としては、安っぽいということはまったくありません。高級感があるというほどではないものの、普段からデスクに置いていても視界の邪魔になりません。

シンプルで飽きが来ないデザインです。
中央あたりにオーディオテクニカの名前が印字されていますが、目立たない大きさになっています。

AT2020の付属品

- AT2020本体
- スタンドマウント AT8466
- 変換ネジ(5/8″-27-3-8″-16)
- マイクポーチ
オーディオテクニカAT2020の付属品は、以上の通りです。
スタンドマウントと変換ネジ、マイクポーチが付属しています。

このスタンドマウントを通じてマイクスタンド・マイクアームに取り付けることができます。

ウインドスクリーンやスタンド、ポップガードなどは別売りです。それらも一緒に揃えると、配信や通話がより快適になるのでおすすめ。
エントリークラスで、マイクポーチが付属するのは少し珍しいです。コンデンサーマイクは繊細なので、持ち運ぶ際の衝撃対策などにポーチは必須だと言えます。

それが付属するのは、嬉しいポイントです。
オーディオテクニカAT2020の良いところをレビュー
オーディオテクニカAT2020のスペックや付属品などについて、紹介してきました。
ただ、スペックだけではわからないことも多いです。そこで今度は、オーディオテクニカAT2020の良いところについて、レビューしていきます。
フラットで万能に使える音質

AT2020の音質は、どれかの音域に寄りすぎることがなく、フラットで万能に使いやすいです。
音質自体も良く、1万円のマイクとしてはとても高品質な音だと言えます。ボーカルをオンマイクで収録すれば、イコライザーがなくてもジャンルを問わずオケと馴染むのが良いところです。
歌枠配信やボーカル録りなどに、十分通用します。声を大きくしても音圧に負けることがない入力音圧レベルなので、シャウトなどをしても問題ありません。
逆にしっとりとした歌でも、前に出過ぎるということがなく、使いやすいです。
さらに、弦楽器などの線の細い音にもよく合う音になっています。
ただ、低音の厚みは少し弱いです。
低音の厚みを重視する方や用途には、合いにくいと言えます。
それ以外であれば、なんにでも合う万能選手です。
声をよく拾ってくれる
オーディオテクニカAT2020は、人の声をよく拾います。
通話や配信のために調整されており、入力音量が大きめに設定されているようなイメージです。初心者向けの製品は、本機に限らずそうした設定になっている製品が多い傾向があります。
本機も、例に漏れず。
初心者が使うマイクという位置づけなので、このほうが使いやすいです。設定の知識などがあれば、もう少し初期の入力音量が小さいほうが良いものの、プラグアンドプレイで声を録りたいような場合には最適な設定になっています。
あまり声を張らなくても、マイクを近づけすぎずに声がのるのが良いところです。
声を張る場合は、マイクをしっかりと離すことをおすすめします。
そうでなく、通話や雑談配信、ゲーム配信などを前提に使う場合には、とても使い勝手が良いです。
声以外も拾いたい場合に最適
オーディオテクニカAT2020は、声以外の環境音もしっかりと拾います。
感度が高いマイクなので、環境音など声以外も拾いたい場合にも使いやすいです。
たとえばVlog動画や弾き語り動画および配信、タイピング音などを入れたい作業配信などの用途にも適していると言えます。
むしろ、声だけを録るような用途よりも、素の状態ではこちらのほうがどちらかと言えば適性が高いです。
自宅で使いやすいちょうどいいサイズ感

オーディオテクニカAT2020は、長さ160mm、本体最大径52mmのサイズ感です。
大きすぎることがなく、小さすぎるということがない程よいサイズ感だと言えます。それなりの大きさと存在感はあるものの、自宅で使うのには適しているのが良いところです。

それほど邪魔にならず、けれどしっかりとした大きさがあり、扱いやすいサイズ感だと言えます。
オーディオテクニカAT2020の気になる点をレビュー
ここまで、オーディオテクニカAT2020の良いところについて、レビューしてきました。使いやすい万能な音質やサイズ感など、1万円台前半のコンデンサーマイクとしては高品質なのが良いところです。
ただ、一部には気になる点があります。
そこで今度は、オーディオテクニカAT2020の気になる点についてレビューしていくので、ぜひご参照ください。
S/N比が若干低め
オーディオテクニカAT2020は、S/N比が若干低めです。
S/N比というのは、無音状態で発生する雑音のレベルと基準となる信号を入力したときの出力レベルの比率です。この数値が高ければ高いほど、雑音の影響が少なくなります。
本機はコンデンサーマイクとしては、S/N比率が若干低いです。
マイクが作り出す自己ノイズの影響を比較的受けやすいと言えます。
とはいえ、入力音量が大きいため、実際に使っている際にはそれほど気になりません。無音状態では少し気になるという程度です。
ポップノイズなどを拾いやすい

オーディオテクニカAT2020は、ポップノイズなどを比較的拾いやすいマイクです。
ポップノイズというのは、破裂音を出す際に息がマイクに当たることで発生するボフッというノイズです。息がダイヤフラムに直接当たったときはもちろん、少し離れていて大丈夫だと思っていたとしても、入ることがあります。
マイクに近づいていれば、リップノイズなども拾いやすいです。
とにかく感度が高く環境音などを総合的に拾うので、単一指向性とはいえノイズ対策は必須。
別売りのポップガードを購入するのが、おすすめです。
ちなみに私が愛用しているポップガードは同じくオーディオテクニカのAT8175。

AT8175ポップガードはAT20xxシリーズにフィットする形状となっており、マイク本体に簡単にしっかりと取り付けられる為お勧めです。


オーディオテクニカAT2020はこんな方におすすめ!

- 雑談配信やゲーム配信がしたい方
- Vlog動画の撮影に使いたい方
- 弾き語り動画/配信に使いたい方
- はじめてXLR接続マイクを買う方
- コスパ重視の方
オーディオテクニカAT2020は、以上のような方におすすめです。
フラットな音質傾向になっているとはいえ、人の声や楽器の音をよく拾う設定になっています。声を使った配信や動画には、適しているマイクです。
さらに、環境音や声以外の音もしっかりと拾うため、Vlogや弾き語り動画・配信にも最適だと言えます。
まとめ

本記事では、オーディオテクニカAT2020の良いところと気になる点について、レビューしてきました。
AT2020は、雑談配信やゲーム配信、Vlog、弾き語り動画などさまざまな用途に適した万能選手のコンデンサーマイクです。1万円台前半で購入できるマイクとしては高品質な音と、使い勝手の良さが魅力的。
配信で使う方にはもちろん、通話などライトな用途で使う方にもおすすめです。
オーディオインターフェイスなどとあわせて購入しても予算を抑えられるため、初期費用を抑えて配信がしたいという方にも適しています。
自分の用途や好みに合うかどうかをしっかりと考慮して、購入を検討しましょう。