オーディオインターフェイスには無数の種類があり、定番とされるモデルや高機能な製品は、価格も高くなる傾向にあります。
そんな中、Steinberg UR22Cは、比較的手に取りやすい価格帯でありながら、音楽制作や配信に十分な性能と機能を備えているのが魅力です。
本記事では、そんなSteinberg UR22Cの良いところと気になる点について、レビューしていきます。
Steinberg UR22Cの基本的な仕様
まずは、Steinberg UR22Cの基本的な仕様について紹介していきます。スペックと入出力端子の構成、付属品についてそれぞれ簡単に紹介するので、気になる方はぜひご参照ください。
Steinberg UR22Cのスペック
- 接続方式:USB Type-C
- 形状:デスクトップ
- ボディ:フルメタル
- 電源:USB 3.0フルパワー、USB Type-Cバスパワー、External USB 5 V AC adaptor(not included)
- AD/DA:32bit
- 最大サンプリングレート:192kHz
- 入力ダイナミックレンジ:102dB
- モニタリング:レイテンシーフリーモニタリング+エフェクト
- 内蔵DSP:SSP 3
- True Intergrated Monitoring + FX(Cubase使用時):対応
- ハイパス・フィルター:対応
- REV-X Reverb:対応
- Sweet Spot Morphing Channel Strip:対応
- 外形寸法:全幅159mm×全高47mm×全長159mm
- 重量:1kg
- 端子:USB Type-C、USB 3,0、USB 2.0
- RAM(必須):4GB
- ディスク空き容量:1200MB
以上が、Steinberg UR22Cの簡単な仕様です。

USB接続なのが、ポイント。iOSでも、USBを接続すれば認識されます。WindowsやMac OSでも、もちろん使用可能です。PCだけでなく、スマホやタブレットなどのiOS端末でも使えるというのが、大きなポイントになっています。
さらに、据え置き型のオーディオインターフェイスとしては、比較的コンパクトなサイズなのも良いところです。

リュックに入れて、持ち運べなくはありません。もちろん、大きなリュックが必要ですが、ノートPCが余裕で入るようなリュックなら問題なく持ち運べます。
そして、DSPエフェクトの使用も可能です。
DSPは、PCで言うところのCPUのようなもの。DSPエフェクトは、そのオーディオ処理で一番広く使われているものです。オーディオインターフェイス単体で、エフェクトが使えるようになるのが魅力的。
たとえばイコライザーやコンプレッサー、リバーブなどです。
歌枠や弾き語り配信で、一番使われているのがコンプレッサーとリバーブ。コンプレッサーは大きな音を圧縮して、音量を均一にしてくれるエフェクトです。
こうしたエフェクトが使えるというのも、Steinberg UR22Cの魅力のひとつだと言えます。
Steinberg UR22Cの入出力構成


- 入力数:2
- 個別出力数:2
- 出力数:2
- マイクプリアンプ:D-PRE
- マイク入力:2
- ライン入力:2
- HI-Z入力:1
- アナログ入力 コンボ:2
- アナログ出力 TRS:2
- ファンタム電源:2
- ヘッドホン:独立レベル
- ヘッドホン出力:1
- MIDI入出力:対応
Steinberg UR22Cは、2イン2アウトの構成です。
入力はコンボジャックが2つ、MIDI入力。
出力は、1/4ライン出力が2つに、PhoneとMIDI出力になっています。
ボディがコンパクトですが、必要な入出力端子がしっかりと詰め込まれています。本体前面には入力用のコンボジャックが2つあり、とても便利です。

コンボジャックというのは、マイク入力であるXLRと楽器で使われる1/4ライン入力の両対応の端子のこと。これが2基あるので、マイクを2本同時に使ったり、ギター2本を同時に使ったりできます。
活用の幅が広いです。
もちろんコンボジャックはファンタム電源に対応。ファンタム電源は、コンデンサーマイクを使うのに必要なものです。ミキサーやオーディオインターフェイスから、XLRケーブルを通じ、コンデンサーマイクなどのオーディオ機器に直接電力を供給するシステムのこと。
これがなければ、オーディオインターフェイスでコンデンサーマイクをXLRケーブルで使えません。

配信用マイクはUSBにしろXLRにしろ、コンデンサーマイクが主流です。配信者には、必須の機能だと言えます。

そして、出力も便利です。背面に1/4ライン出力用の端子が2つあります。これは、スピーカーの接続などに使える端子です。これも2基あるので、活用の幅が広いと言えます。
接続は背面ですが、出力ボリューム調整は前面のノブで行うのも良いところです。

そのうえ、ヘッドホン用のPhone端子には、スピーカー用のとは別のボリュームノブがあります。
スピーカーとヘッドホンで、分けて音量調整が可能です。それぞれ適した音量が異なるので、スピーカーからヘッドホンに変える際などにいちいち調整し直す必要がなく、便利だと言えます。
Steinberg UR22Cの付属品
- USB 3.0ケーブル(3.1 Gen1,Type-C to Type-A,1.0m)
- CUBASE AI
- Cubasis LE
- dspMixFx UR-C
- Basic FX Suite
- STEINBERG PLUS
以上が、Steinberg UR22Cの付属品および付属ソフトウェアです。
ケーブル以外は、ダウンロードでの提供になっています。
付属ソフトウェアだけで、DTMを始められるのがSteinberg UR22Cの強みのひとつです。DTMに必要なソフトウェアが丸ごと使えるようになるので、DTM入門には最適。それぞれを別で揃えるとなると知識も必要になりますし、有料ソフトで揃えれば予算も大きくなってしまいます。
もちろん、DTM以外でも使えるソフトもあるので、DTMをやらない場合には損になるということもありません。
Steinberg UR22Cの良いところをレビュー
Steinberg UR22Cの基本仕様や入出力構成、付属ソフトウェアなどについて紹介してきました。コンパクトなボディで、必要な入出力端子をしっかりと備えており、使い勝手が良い構成です。
ただ、それだけではわからないこともあります。そこで今度は、Steinberg UR22Cの良いところについてレビューしていくので、ぜひご参照ください。
音質がクリアで良好

Steinberg UR22Cは、音質が良好です。
オーディオインターフェイスはオーディオ関連機器を統合するという役割もありますが、音質改善という役割も担っています。PCのヘッドホン端子に直接差し込んだときと、Steinberg UR22Cに接続したときとでは、音質は雲泥の差です。
良いヘッドホンを使っている場合はもちろん、安価なヘッドホンだとしてもPC直挿しと比べると感動するレベルの違いがあります。
クリアで高解像度な音の聞こえ方が、特徴的です。
設定を弄らないでいる状態だと、味付けをあまり濃くせず解像度と臨場感を高めているという印象があります。
味付けが欲しい場合は、イコライザーなどで対応可能です。初期状態の味付けを薄くすることで、自分好みの音により近づけやすくなっています。
幅広い楽器などが接続できる

Steinberg UR22Cは、コンボジャックが2つという構成です。この構成であれば、さまざまな楽器やオーディオ製品を接続できます。
入力面ではマイク、ドラムマシン、スマホ音源、ターンテーブルなどの接続が可能です。各種ケーブルと端子さえあれば、楽器や音源などを幅広くPCに接続して取り込めるのが良いところ。
さらに、出力面でもスピーカーやヘッドホンなど、さまざまな製品を接続できます。
ダイレクトモニタリングが便利
Steinberg UR22Cは、ダイレクトモニタリング機能を搭載しています。
ダイレクトモニタリングというのは、接続した端末を仲介せず入力音声を直接Phone端子に出力する機能のことです。
簡単に言えば、今録音している楽器や歌、配信中の自分の声などをリアルタイムで確認できる機能のこと。音楽や配信などをしていると、自分の音声を確認しなければならない場面が多々あります。
そういった際に、接続をいじらずに確認できるのは非常に便利です。
さらに、UR22Cでは、本体のMIXノブでダイレクトモニタリングの音と端末の音の音量バランスを調整するようになっています。INPUT側に最大にすれば、Phone端子から流れるのはダイレクトモニタリングの音のみになるといった調整が可能です。
逆に、DAW側にマックスにすれば、ダイレクトモニタリングがオフになります。ノブで咄嗟にオンオフを切り替えられるうえ、音量バランスをそのまま調整できるのが便利です。
専用アプリdspMixFxが高機能

Steinberg UR22Cには、専用アプリdsxMixFixが用意されています。
Windows/Mac、iOSで使えるアプリです。これが非常に高機能で便利。Steinberg UR22Cを選ぶ最大の理由になるとも言えます。
このアプリは、アプリ内で各チャンネルの音量やPANの調整が可能です。PANというのは、音の定位のこと。左に回せば、ヘッドホンの左から音が聞こえ、右に回せば右から聞こえるようになります。

さらに、INPUTチャンネルにエフェクトをかけることも可能。イコライザー、コンプレッサー、リバーブ、ギターアンプシミュレーターの4種類のエフェクトがあります。
イコライザーとコンプレッサーは特に、細かい調整ができるので便利です。音楽制作でも配信でも、幅広く活用できて重宝します。
機器に付属する無料アプリとしては、機能が豊富で使いやすい部類です。
また、初心者向けのプリセットも用意されています。
STREAMINGタブの設定が便利

専用アプリのSTREAMINGタブが、便利です。
ライブ配信に流す音を、自由に選択できます。
たとえば、PCの再生音はループさせずにマイクの音だけを相手に送る設定(いわゆる「Voiceモード」のような使い方)にすれば、音声の二重返りを防げるため、コラボ配信やDiscord通話で非常に役立ちます。
ループバックというのは、出力される音を入力チャンネルに戻し、ミックスする機能のこと。これがあれば、複数の音源を使った配信などがやりやすくなるのが良いところです。
ループバック機能にはいくつかのモードがあり、配信でBGMとマイク音を混ぜる「STREAMINGモード」や、DAWでの録音時にループバックを完全にオフにする「Input1/2モード」などを簡単に切り替えられます。
配信でBGMを流したい場合は、STREAMINGモードが便利です。事前に音声を設定しておけば、これがループされるようになります。DAWで録音するときには、Input1/2でループバックをオフにするのがおすすめです。
このように、使い分けができるのが魅力的。配信や音楽制作が、より便利で楽しくなります。
USB給電が便利

Steinberg UR22Cは、USB給電ができます。
ACアダプタのみだと、環境が変わる度に接続しなおすのが面倒です。据え置きにするにしても、電源タップがACアダプタで埋まりがちなPCまわりにおいて、ACアダプタを一つ減らせるというのは大きなメリットだと言えます。
もちろん、スタジオなど自宅以外で使う際にはより便利です。
Steinberg UR22Cの気になる点をレビュー
Steinberg UR22Cの良いところについて、レビューしてきました。専用アプリの機能が豊富で使いやすく、音質も良好なのが本機の大きな魅力です。
ただ、一部には人によっては気になるところもあります。そこで今度は、Steinberg UR22Cの気になる点についてレビューしていくので、ぜひご参照ください。
入力が2つだけ

Steinberg UR22Cは、入力が2つです。この価格帯では仕方がないことですが、6.3mmジャックが2つという構成は、人によっては気になるところ。
シンセサイザーや外部音源などをステレオで録音する場合、入力端子を2つとも使用するため、他の楽器(マイクなど)は同時に接続できません。
複数の音源をPCに取り込みたい場合には、別途ミキサーが必要になります。その場合は、かえって高く付くこともあるので、注意が必要です。
あくまでも、入門機という位置づけであることは念頭に置いておくことをおすすめします。
USB接続には注意が必要

Steinberg UR22CのUSB接続には、いくつか注意点があります。
- USBバスパワー駆動: PCとUSB Type-C端子で接続した場合のみ対応します。
- 付属ケーブル: 付属するのは「USB Type-A to Type-C」ケーブル1本です。PC側もType-C端子の場合は、別途「Type-C to Type-C」ケーブルが必要になります。
- USB 2.0での接続: 旧規格のUSB 2.0ポートに接続する場合、電力不足を補うため別途ACアダプター(別売)による電源供給が必要です。
ダイナミックマイクはゲインが足りない

Steinberg UR22Cは、ダイナミックマイクを使うのにはゲインが足りないと感じてしまう可能性があります。
マイクの入力音量を増幅する「ゲイン」が、一部のダイナミックマイクでは少し足りないと感じる可能性があります。音量が十分に上がらない場合は、マイクプリアンプなどの追加機材を検討する必要があるかもしれません。
ただ、コンデンサーマイクの使用には問題ありません。ファンタム電源があるので使用可能なうえに、ゲインも十分です。
Steinberg UR22Cはこんな方におすすめ!

- はじめてオーディオインターフェイスを導入する方
- はじめてDTMを触ろうとしている方
- 配信用にオーディオインターフェイスが欲しい方
Steinberg UR22Cは、以上のような方々におすすめです。
低価格帯の製品ということもあり、プロレベルの音楽制作現場には使いにくい製品だと言えます。
ただ、はじめてDTMを触る方や、オーディオインターフェイスを初導入する方にとっては使いやすい製品です。低価格帯の製品としては比較的機能が豊富で、なおかつ初心者には十分な入出力を備えています。
付属ソフトウェアもDTMで使うものは一式含まれているうえに、専用設定アプリの使い勝手が非常に良好です。
また、配信用であれば入出力の数が不足しにくいということもあり、配信用のオーディオインターフェイスとしてもおすすめだと言えます。
まとめ

本記事では、Steinberg UR22Cについてレビューしてきました。
Steinberg UR22Cは、サウンドハウスやAmazonで2万3,000円程度の低価格帯のオーディオインターフェイスです。同系統の製品のなかでは、入門向けの機種だと言えます。
ただ、Windows/Mac、iOSと幅広く使えるうえにコンパクトかつ初心者には十分な入出力を備え、各種設定の幅も広いなど、入門機のなかでは多くのことができる機種です。
コスパが非常に高いと言えます。
ただ、入門機ではあるため、より本格的な音楽環境を構築するのには不向きです。
用途と相談しながら、Steinberg UR22Cが自分に合うかどうかをじっくりと吟味しましょう。