2016年に中国で設立されたオーディオブランド・LETSHUOER。
オーディオマニアによって設立された会社だけあり、オーディオ好きの心に深く刺さる製品を次々と生み出しています。
LETSHUOER S12 PROは、そんなLETSHUOERの2万円台の有線イヤホンです。一般的には高級イヤホンの部類ですが、オーディオマニア的にはまだ入口の部類という難しい立ち位置の本製品。
しかし、同価格帯の他社製品と比べてしっかりとした個性があり、音の粒立ちの良さに関しては群を抜いて良好だと言えます。
本記事では、そんなLETSHUOER S12 PROのスペックと付属品・外観について紹介した後、音質や使い勝手などについてレビューしていくので、ぜひご参考ください。
LETSHUOER S12 PROのスペック
- ドライバー:平面磁気駆動ドライバー
- ドライバーサイズ:14.8mm
- 周波数特性:20〜20kHz
- 音圧感度:102dB
- インピーダンス:16Ω±1%
- 歪み:0.5%±0.1%
- ハウジング素材:アルミニウム合金
- ケーブル:1.25m 4芯銀メッキ単結晶銅ケーブル
- 接続:2pin
以上が、LETSHUOER S12 PROの基本的なスペックです。
まず特徴的なのは、14.8mmの平面磁気駆動ドライバー。
振動板が平面になっているため、歪みが少ない音になります。その分ダイナミックドライバーと比べると低音などの面白みに欠けるものの、音源の表現している音をストレートに楽しめるのがいいところです。
クリアかつ、自然な音になります。
さらに、周波数特性も人間の可聴域そのものという数値で、ナチュラル。全体的に「自然さ」を意識しているようなスペックになっています。
LETSHUOER S12 PROの付属品と外観レビュー
LETSHUOER S12 PROのスペックについて、紹介してきました。今度は、S12 PROの付属品と外観についてそれぞれ簡単にレビューしていきます。付属品や外観が気になる方は、ぜひご参考ください。
付属品
- S12 PRO本体
- 交換用プラグ:2.5mm/3.5mm/4.4mm
- イヤーチップ:低反発タイプ(S/M/L)、標準タイプ(S/M/L)
- 4芯銀メッキ単結晶銅ケーブル(1.25m)
- ケース
- 説明書
- 保証書
以上が、LETSHUOER S12 PROの付属品です。
同価格帯のイヤホンと比べても、付属品が充実していると言えます。
まず、ケーブルのプラグが3種類付属。
一般的な3.5mmのアンバランス接続にも、2.5mm/4.4mmバランス接続にも対応しています。ケーブルを新しく購入しなくても、付属品だけでアンバランスとバランス接続を試せるのが、いいところです。
そのうえ、標準タイプだけでなく低反発タイプのイヤーチップも付属しています。
イヤーチップは、硬さや形状・素材などによって音が変わるものです。
LETSHUOER S12 PROは、付属品だけでもある程度の音のカスタマイズができるようになっています。イヤホンのケーブルや接続方式による音の違い、イヤーピースによる装着感と音の違いなどのカスタマイズ要素をはじめて試したいという方には最適です。
最近イヤホン沼にハマリはじめた方には特に、おすすめのイヤホンだと言えます。
また、
外観
LETSHUOER S12 PROのデザインは、かわいらしい印象です。
フォルムにはあまり変わった部分がなく、それでいてどこか丸々としています。このシンプルかつ丸みを帯びた形状が愛らしく、愛着が湧きやすそうなデザインです。
さらに、ハウジング部にはシルバーの枠があります。ここが本体のアルミニウム合金の光沢感と合わせて、宝石のような雰囲気があるのもデザイン面での大きな特徴です。
かっこいいデザインよりもかわいいデザインの製品に惹かれるという方には、特におすすめしやすいデザインだと言えます。
LETSHUOER S12 PROの音質をレビュー
LETSHUOER S12 PROのスペックや付属品などについて、レビューしてきました。今度は、LETSHUOER S12 PROの音質について中高音域・低音域・空間表現の3点に分けて、レビューしていきます。
中高音域の粒立ちがいい
LETSHUOER S12 PROの音は、一言でまとめると「中高音域の粒立ちが秀逸なモニター系の音」です。
中高音域の解像度が高いのが、S12 PROの音質の特徴。音の粒が一つひとつしっかりと分離し、緻密に表現されています。細かな動きまで再現しているような粒立ちのいい音で、女性ボーカルなどとの相性がいい印象です。
低音域のバランスが良好
低音域に関しては、しっかり聞こえるものの主張が強すぎないという印象です。程よい存在感を持っており、中高音域を支えています。この低音域のおかげで、S12 PROの中高音域がより魅力的に聞こえるというような良好なバランス感です。
そして、平面磁器ドライバーの特徴である反応速度の良さも、しっかりと感じられます。
全体的に再現度が高く、フラットな印象です。
とはいえ、完全なフラットではありません。中高音域を重視したモニター系の音、という音質傾向です。
解像度と空間表現が良質
LETSHUOER S12 PROは、中高音域の解像度が特に高いです。
粒立ちがいいと先述しましたが、高解像度かつ高分離なのがそう感じる理由になっています。音源の中高音域の魅力をしっかりと抜き出し、息遣いや余韻までも再現し、それぞれを音の粒として表現しているイメージです。
さらに、空間表現も良質。
音場が広く、奥行き・左右への広がりが感じられます。そのうえで、空間に響いているような表現も感じられるのがいいところです。レコーディング時の環境や意図などをも汲み取り、表現しているような印象。
余韻、抜けるような空気の感じなどについては特に、表現力が高いです。
LETSHUOER S12 PROの装着感をレビュー
LETSHUOER S12 PROの装着感は、人によって合う合わないがハッキリしている印象があります。
本体とイヤーピースに関しては、特に問題がなく、普通の装着感です。特別良好ということもなければ、特別ダメということもありません。有線イヤホンに慣れている方ならば、違和感を感じることはないレベルです。
ただ、ケーブルに関しては若干耳にかけにくいところがあります。
これは、ケーブルの太さが原因です。0.05mmの線を98本も束ねて、4芯のケーブルにしています。性能が高く音質は非常に良好で、音をじっくりと楽しむためのケーブルとしては優秀です。
特に、S12 PROの音との相性が良好なので、リケーブルが不要なくらいに高クオリティ。
その反面、ケーブルが太くて耳にすっぽりとハマリにくいと感じられる可能性があります。
自室で座りながら聴いている分には外れることはないものの、外出先で歩きながら聴く場合には外れることがあるので、注意しましょう。
また、メガネをかけている方はメガネと干渉する可能性があります。もし合わないと思った場合は、もう少し細くて高性能なケーブルに交換するのがおすすめです。
LETSHUOER S12 PROの使い勝手をレビュー
ここまで、LETSHUOER S12 PROの音質や装着感などについてレビューしてきました。音質は非常に良好で、装着感は若干難ありという印象。最後に、そんなLETSHUOER S12 PROの使い勝手についてレビューしていきます。
ホワイトノイズが少ない
LETSHUOER S12 PROのホワイトノイズは、非常に少ないです。
一般的には、ホワイトノイズは、ボリュームを小さくしていると気になるようになります。タッチノイズと違い、発生しやすい機器では常に発生しており、ボリュームを下げると聞こえてしまうというイメージです。
ただ、LETSHUOER S12 PROはホワイトノイズが出やすい機器に繋いでボリュームを小さくしても、ホワイトノイズが気になりません。厳密には出ている可能性はありますが、少なくとも聴いた感じではわからないレベルです。
そのため、ボリュームを下げて使う場合にも使いやすいと言えます。
寝ながらでも使いやすい
LETSHUOER S12 PROは、装着時に耳からあまり飛び出ません。
突起の少ない丸みを帯びた形状と、薄さが幸いしています。本体自体の耳へのおさまり自体はいいので、寝転びながらでも使いやすいです。
また、ステムが短いのも寝ながら使いやすい理由のひとつとなっています。ステムが長いイヤホンを寝ながら使うと、音像が乱れてしまうことがあるのですが、本機は短いためそれがありません。
比較的、寝ホンにも向いているイヤホンだと言えます。
音漏れには注意が必要
LETSHUOER S12 PROは、遮音性はそれほど高くありません。特別遮音性が低いイヤホンでもないものの、ステムを指で押さえて遮音しても、ある程度は音漏れします。普通に装着して使っていると、音量によっては気になる程度には音漏れする可能性があるので、注意しましょう。
電車の中など、隣に人がいるような場面では音量を抑えて使うことをおすすめします。
LETSHUOER S12 PROのレビューまとめ
本記事では、LETSHUOER S12 PROの音質などについてレビューしてきました。
音質は、同価格帯のほかのイヤホンと比べても非常に良好です。これより少し価格帯が高めのイヤホンと比べても、中高音の粒立ちの良さと空間表現の優秀さは負けていません。
中高音域を重視する方や、フラットに近い音質傾向が好きな方にとっては、音質面のコスパが非常にいいイヤホンです。
使い勝手も決して悪くはなく、音漏れと歩きながらの使用にだけ気をつけていれば使いやすいと言えます。
外で音楽を聞き流すというよりも、室内で音楽に集中したいときに使うイヤホンとして非常におすすめです。
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