Kiwi Ears Melodyは、平面駆動ドライバーを搭載しているのが特徴のカナル型イヤホンです。
比較的安価で機能性を詰め込むことに定評のあるLINSOUL製のイヤホンで、コスパが高いのが魅力。1万円台で良い音と使いやすさを詰め込んでおり、高級イヤホンを購入したことがない方の選択肢のひとつとして適しています。
ただ、実際にどのような音質なのか、使い勝手はどうなのかが気になるもの。
そこで本記事では、Kiwi Ears Melodyのスペックを解説したうえで、良いところと気になるところについてレビューしていきます。
Kiwi Ears Melodyの基本仕様
まずは、Kiwi Ears Melodyの基本仕様について紹介します。スペックと外観をそれぞれ簡単に解説していくので、本機がどのようなイヤホンなのかスペックが知りたい方はぜひご参考ください。
スペック
- ドライバー:12mm平面駆動ドライバー
- 定格出力:5mW
- 最大出力:10mW
- 周波数帯域:5Hz〜40kHz
- インピーダンス:18Ω
- ケーブルインターフェイス:3.5mmステレオプラグ
- 感度:102dB@1kHz
- コネクタタイプ:0.78mm2pin
以上が、本機の簡単なスペックです。
特筆すべきは、やはり12mmの平面駆動ドライバーを搭載している点。
ダイナミック型は、ボイスコイルが振動版を駆動させる仕組みです。この振動によって、音が出ます。この振動版の形状が平面なのが、平面駆動型ドライバーです。
通常のダイナミック型は、振動版がドーム型などになっています。平面型は、比較的珍しいです。
平面型は振動が伝わる際のタイムラグが発生せず、スピード感のある音を出すのが得意という特徴があります。
そのため、疾走感のある曲との相性がいいです。
さらに、平面なのでハウジング部分を平たくしやすいという利点もあります。一般的なダイナミック型ドライバーのイヤホンよりも、出っ張りの少ない形状にしやすいです。
つまり、Kiwi Ears Melodyは立ち上がりが早くキレのある音を出しやすいということになります。
また、本機はリケーブルに対応しているのも特徴です。
ケーブルによって、音が変わります。ケーブルを付け替えられることにより、見た目をより自分好みいできるだけでなく、音もより自分好みに近づけられるのがいいところです。
外観
Kiwi Ears Melodyの外観は、非常にシンプルです。
表面にはKiwi Earsというロゴが描かれています。メーカーのロゴではなく、商品ロゴなのが少し変わっている部分です。ロゴが大きく表示されているところは、好みが分かれる可能性があります。
ロゴが小さいミニマルなデザインが好きな方には、あまり合いません。
ただ、ロゴ以外の部分は非常にミニマルです。ロゴはあまり気にならないけど、ゴタゴタとしたデザインは苦手という方には適しています。
さらに、ハウジング部が平面です。出っ張りが少ないデザインになっています。
Kiwi Ears Melodyの良いところをレビュー
Kiwi Ears Melodyのスペックと外観について、簡単に解説してきました。ここからは、実際にKiwi Ears Melodyの良いところについてレビューしていきます。音質の良し悪しや装着感などが気になる方は、ぜひご参考ください。
落ち着いた丁寧な音
Kiwi Ears Melodyは、落ち着いた丁寧な音が鳴ります。
音質傾向としては、フラット寄りです。低音が強調されすぎるということはなく、曲によって色を変えます。低音が強い曲だと強く聞こえ、そうでもない曲だとフラットに聞こえるという面白いバランスです。
作曲者の意図を汲んでいるかのような、丁寧な音だと言えます。
そのうえ、全体的に落ち着いている音です。たとえば高音が刺さるということもなく、長時間安心して聴き続けられます。
臨場感がある立体的な音
Kiwi Ears Melodyの低音域は、立体的なのが特徴です。深く強いのとはまた違い、リアルな響き方をします。視聴者のいる空間に本当に響いているかのような、立体感があり奥行きがあるのがいいところです。
この響き方の立体的な感じが、先述のような「曲によって印象を変える」ということに繋がっているように感じられます。
さらに、中音域はボーカルや楽器が際立つ作りです。クリアに聞こえて、なおかつディティールがしっかりと表現されています。温かみのある音で、強すぎることなく、かといって低域に邪魔されることもなく、自然と際立って聞こえるイメージです。
女性ボーカルとは特に相性がよく、息遣いや艶感もしっかりと表現されています。
そして、高音域は解像度が非常に高いというほどではないのが特徴です。モニターイヤホンのほかの製品と比べると、解像度は低め。それがかえって、長時間聴いても疲れない音に繋がっています。
ただ、存在感はしっかりあるという印象です。高音域の楽器が存在感をしっかりと示し、そのあと、静かに余韻を残し消えていきます。
全体的に音のバランスがよく、この良好なバランスをもって立体的な表現をしているという印象です。
ボーカルがクリアかつ際立って聞こえる
Kiwi Ears Melodyは、人の声との相性がいいです。全体的な音質傾向としてはフラット寄りですが、最も際立っているのは中音域。人の声は中音域なので、ボーカルや喋り声などが当然際立って聞こえます。
ボーカル楽曲を聴きたい方にとっては、非常にいい選択肢です。
もちろん、ボーカル曲以外でも音の良さが発揮されます。ギターサウンドとの相性も非常によく、ギター系の音を使ったBGMとの相性も良好です。
そして、ASMR配信や音声作品など人の声とさまざまな音を一緒に楽しむようなコンテンツとの相性も、非常に良好だと言えます。それぞれの音を聞き逃さず、声がしっかりと聞き取れるのがいいところです。
装着感が良好
Kiwi Ears Melodyの装着感は、非常に良好です。
本機に付属しているケーブルは、シュア掛けに対応しています。シュア掛けというのは、耳にケーブルを引っかけてイヤホンを保持することです。ケーブルを耳にかけることによって、イヤホンが落ちにくくなります。
仮に耳の穴からずれ落ちたとしても、ケーブルが引っかかるため、地面には落下しません。
さらに、本機はフィット感が高く、よほど派手に動いたりしない限りは耳の穴からも抜けにくいです。
そして、長時間使っていても疲れにくくなっています。エルゴノミクスデザインが採用されており、耳への圧迫感や負荷が少ないのが理由です。
寝ホンとしても使いやすい
Kiwi Ears Melodyは、ハウジング部の出っ張りが少ないです。平面な形をしているので、耳に入れてしまえばほとんど出っ張らないようになっています。
この形状の大きな利点は、寝転びながらでも使いやすいことです。たとえばASMR動画や音声作品などを聴きながら寝たい方には、最適だと言えます。
横向きで寝る方の場合、耳が枕につくため、出っ張りが大きいイヤホンでは痛いです。本機は出っ張りがほとんどないので、横向きで寝る方でも安心して寝ホンとして使えます。
また、長時間聞き流してもあまり疲れない音質傾向なのも、本機が寝ホンに向いている理由のひとつです。落ち着いた音で、環境音やASMRなどとの相性も良好。音声作品視聴用のイヤホンとしても、寝ホンとしても、リスニングイヤホンとしても使いやすいです。
Kiwi Ears Melodyの気になる点をレビュー
ここまで、Kiwi Ears Melodyの良いところについてレビューしてきました。今度は、Kiwi Ears Melodyの気になる点についてレビューしていきます。良し悪しの両方を知って、自分に合うイヤホンかを判断したい方は、ぜひご参考ください。
チューニング沼に落ちやすい
Kiwi Ears Melodyは本体性能が優れているため、比較してしまうとケーブルやイヤーピースがやや弱く感じます。
もちろん付属のケーブル・イヤーピースでも良い音を楽しめますが、最低限のものが付属されています。
リケーブルなどの味変を行うことによって、より好みの音へとブラッシュアップしていくことが出来てしまいます。
基礎性能が高くチューニングによってより化けることを楽しめる反面、沼にハマるとお財布には優しくありません。
ビルドクオリティ・質感は価格相応
Kiwi Ears Melodyのビルドクオリティ・イヤホン本体の質感は価格相応です。
価格相応ですから気になる点としてあげることでもないのですが、音質が同価格帯のイヤホンの中ではずば抜けているため、質感のみが劣って感じてしまいます。
合わせて平べったい表面にプリントアウトされたデザインには好き嫌いが分かれそうです。
Kiwi Ears Melodyはこんな方におすすめ
- 1万円台で音質がいいイヤホンが欲しい方
- 音声作品やASMR用のイヤホンが欲しい方
- 音質がいい寝ホンが欲しい方
- ギター系の曲やボーカル曲をよく聴く方
- 平面駆動型イヤホンに興味がある方
Kiwi Ears Melodyは、以上のような方々におすすめです。
まず、本機は音質傾向が比較的フラット寄りだと言えます。全体的な音のバランスがよく、それぞれよくまとまっている印象です。曲によって印象が変わる低音が面白く、自然と際立って聞こえる中音が心地よく、高音も快適。
このような音質傾向が好きな方で、コスパがいいイヤホンを探している方には非常におすすめです。
また、音質傾向や形状などからASMRや音声作品との相性が良好。それらに使いたい方、寝ホンに使いたい方にもおすすめです。
まとめ|平面駆動イヤホンの新定番!
本記事では、Kiwi Ears Melodyの良いところと気になるところについてレビューしてきました。
平面駆動型は珍しく、特に1万円台前半の価格帯で手に入る本機は非常に貴重な存在です。平面駆動型の特性であるスピード感も、しっかりと感じられます。そのうえ音が立体的で、なおかつバランスが良好なのがいいところです。
音質よし、使い勝手よしと使いやすいイヤホンを探している方には特におすすめですよ。