マウスコンピューター DAIV Z4-A9A01SR-B(Copilot+PC)は、AI作業に特化しているモバイルノートパソコン。
AI処理に強い高性能なCPUを搭載し、メモリとストレージを大容量にカスタマイズ可能。そのうえ、バッテリー駆動時間が長めになっているなど、作業に適した性能をしているのが特徴のノートパソコンです。
本記事では、そんなマウスコンピューター DAIV Z4-A9A01SR-Bについて、レビューしていきます。
本レビューはマウスコンピューター様から製品をお借りして執筆しています。
記載の価格等は2025年9月22日時点の情報となります。
DAIV Z4-A9A01SR-Bの基本スペック・デザイン
続いてはDAIV Z4-A9A01SR-Bの概要についてをレビューをしていきます。スペックやデザインを詳しく紹介していきますのでチェックしてください。
スペック

- CPU:AMD Ryzen AI9 365プロセッサ
- GPU:AMD Radeon 880M
- メモリ:16GB
- ストレージ:500GB NVMe Gen4×4 SSD
- パネル:14型液晶パネル(ノングレア/sRGB 100%/60Hz)
- 無線:WI-Fi7(最大2.8Gbps)対応IEEE 802.11 be/ax/ac/a/b/c/g/n準拠+Bluetooth 5内蔵
以上が、DAIV Z4-A9A01SR-Bのスペックです。
CPUには、AMD Ryzen AI9 365プロセッサを採用。高性能な内蔵GPUと、AI処理特化のNPUを備えているのが特徴です。処理能力が非常に高く、同価格帯に搭載されやすいCPUのなかでも抜きん出た作業適性を持っています。
外部GPUはありませんが、内蔵グラフィックの性能が高いので、軽いゲームであればプレイ可能です。
さらに、液晶解像度は1920×1200。フルHDよりも、少し高解像度なWUXGAです。縦の表示領域が広いので、3D CADソフトなどを使う際に便利。
ほかにも、画面を上下二分割で使うことが多い動画編集ソフトなども使いやすくなります。
デザイン
続いてDAIV Z4-A9A01SR-Bのデザインについて画像多めで紹介していきます。





Type-CはUSB4 (40Gbps)タイプでUSB PD入力・画面出力に対応。高速なデータ転送に適している。

こちらのType-Cは、USB3.1 (10Gbps)でUSB PD入力・画面出力に対応している。



DAIV Z4-A9A01SR-Bの良いところをレビュー
DAIV Z4-A9A01SR-Bのスペック・デザインについて、紹介しました。詳しい方なら、スペックだけでも特徴がある程度わかりますが、スペックだけではわからない部分ももちろんあります。
そこで今度は、DAIV Z4-A9A01SR-Bの良いところについてレビューしていくので、ぜひご参照ください。
Copilot+PC対応でAI作業が便利

DAIV Z4-A9A01SR-Bは、Copilot+PCに対応しています。
これは、従来のPCと比べてAIを活用した作業を効率化させられる次世代PCの呼称です。AI処理性能が非常に高く、AI処理専用のプロセッサーを持っているため、GPUよりも低消費電力で効率よく処理ができるのが良いところ。
さらに、できることも多いです。
たとえば、Windows標準搭載のペイントアプリに搭載されているCorcreatorという画像生成機能。ラフスケッチや言葉を使い、イメージ通りの画像を生成できます。

続いて、リコール機能。
これは、PC上に表示されたコンテンツを記憶して、後から検索できる機能のことです。

過去に作成したデータをキーワードで、検索できます。素材を探したり、以前使ったデータをもう一度使いたかったりする場合に便利です。
高性能なRyzen AI9 365プロセッサを採用

DAIV Z4-A9A01SR-Bには、高性能なRyzen AI9 365プロセッサが搭載されています。
これは、NPUを内蔵したAI処理特化のCPUです。NPUというのは、AIや機械学習の処理に特化したプロセッサーのこと。CPUやGPUと比べると、処理を高速かつ低消費電力でできるのが最大の魅力になっています。
そのため、AI生成作業が速く終えられるのが良いところです。
そのうえ、AI対応アプリの処理をアシストしてくれるので、画像や動画編集などのソフトウェアの処理も速くなります。
さらに、そもそものCPUとしての性能も高いです。Ryzen 7 8845HS、Core Ultra 7 255Hなどの高性能CPUより、さらに性能が高いCPUになっています。ノートパソコンのCPUとしては、非常に高性能な部類です。
下のキャプチャーはCINEBENCH R23と2024の測定結果。

Cinebench R23では、シングルコア1896 pts、マルチコア11250 pts、MP比率5.93xという結果でした。
このスコアは、第11世代Core i7-1165G7(1532 pts)やRyzen 7 5800H(1384 pts)を大きく上回り、モバイル向けCPUとしては非常に高いシングル性能を示しています。マルチコアスコアも1万点超えで、軽めの動画編集や3Dレンダリングにも十分対応可能な性能です。
Cinebench 2024では、シングルコア117 pts、マルチコア770 pts、MP比率6.60xという結果。
Cinebench 2024は最新の計測基準で、より現代的なワークロードに対応したベンチマークです。ここでも、Ryzen AI 9 365はトップスコアを記録しており、Apple M1 MaxやM1 Ultraよりも僅かに上回る形となりました。
続いて下のキャプチャーはGeekbench AIにてAI性能を測定したもの。

DAIV Z4-A9A01SR-BのGeekbench AIスコアは、Single 3644/Half 1848/Quantized 7405を記録し、CPUベースとしては高い処理性能を示しています。
特に量子化モデルを使ったAI処理では強みを発揮し、文章生成や音声認識などの日常的なAIタスクには十分対応可能です。
ただしGPUを搭載していないため、Stable Diffusionのような画像生成や動画生成などの重い処理には不向きである点には注意が必要です。
Ryzen AI 9 365は、シングル・マルチ共に優れたバランスを持ち、同時にAI処理にも対応していることから、生成AI、画像処理、動画編集、コーディングなど、幅広いクリエイティブワークに対応可能といえます。
メモリとストレージを大容量にできる

DAIV Z4-A9A01SR-Bは、メモリとストレージを大容量にカスタマイズできます。
購入時、メモリを最大64GBにカスタマイズ可能。ストレージは、最大8TBのSSDに変更できます。
軽量ノートパソコンとしては、最大メモリとストレージ容量が非常に大きい部類です。行う作業や用途に合わせて、しっかりと拡張できます。
これだけの大容量にできるノートパソコンは、珍しいです。AI処理を行うような作業は、メモリも必要になります。生成したデータや作成した動画・画像データなどの保存に、ストレージの容量も必要になるので、必要に合わせてカスタマイズできるのは大きな利点です。
ポート類が豊富で使いやすい

DAIV Z4-A9A01SR-Bは、ポート類が豊富で使いやすいです。
まず、フルサイズのSDカードスロットが搭載されています。薄型軽量を売りにしているノートパソコンとしては、珍しいです。近年はカットされがちですが、画像や動画を扱う場合には必須なので、ありがたいところ。
さらに、USB4とUSB Type-Cを搭載しています。
USB4は、最大40Gbpsの高速通信が特徴の規格です。外部ストレージへのデータ転送も、スムーズにできます。
Type-Cは画面出力と充電に対応しており、便利です。
もちろん、有線LANポートやオーディオ端子などもあります。
ディスプレイの色域が広めで画像作業向き

DAIV Z4-A9A01SR-Bは、14インチのWUXGA(1920×1200)の液晶を採用しています。
フルHDよりも縦に少し長いのが特徴です。
さらに、色域がsRGB 100%と広めに取られています。
色域というのは、ある規格により定められた色の範囲のことです。sRGB 100%ということは、sRGB規格で定められている色の範囲をすべて再現できるということ。
色域が広いと表現できる色の種類が豊富になり、画像の色をより正確に再現できるようになります。
そのため、色域が広い本機の内蔵ディスプレイは写真や動画を鮮やかに正確に表示しやすいです。AIイラスト生成、画像制作や動画編集などにも最適だと言えます。

バッテリー駆動時間が長い

DAIV Z4-A9A01SR-Bには、75Whの大容量バッテリーが搭載されています。
このバッテリー駆動時間が、長いのが良いところです。
バッテリーに負荷がかかる動画再生時でも、約9時間のバッテリー駆動時間があります。アイドル時は、19.5時間です。性能を考えれば、いずれも長めの駆動時間だと言えます。
さらに、100WのPD充電器が付属。
手持ちのスマホなどと兼用できるので、持ち歩く充電器を1本化できます。
そして、設定した値で充電を停止するバッテリーマネージャーも搭載。状況に合わせて、モードを3つから選べます。

- 100%:頻繁に持ち運ぶ方向け
- 75%:電源に常時接続している方向け
- 50%充電:長期保管向け
それぞれ、以上のような用途に最適です。
薄型軽量で持ち運びやすい

DAIV Z4-A9A01SR-Bに限らず、DAIV Zシリーズは薄型軽量をコンセプトに筐体設計になっています。
本機は、厚さが19.5mmの薄型設計。これでポート類が豊富で、従来モデルには搭載されていなかった有線LANポートまで搭載しているのが魅力的です。
さらに、筐体素材にはマグネシウム合金を採用。剛性を高めているものの、重量は1.14kgと非常に軽量です。
持ち運びに適したノートパソコンを探している方にも、おすすめだと言えます。
DAIV Z4-A9A01SR-Bの気になる点をレビュー
DAIV Z4-A9A01SR-Bの良いところについて、レビューしてきました。高性能かつ持ち運びにも適しており、魅力が豊富。
ただ、一部に気になる点があります。そこで今度は、DAIV Z4-A9A01SR-Bの気になる点についてレビューしていくので、ぜひご参照ください。
高負荷作業時のファン音はそれなりに大きい
上の動画はAdobe Premiere Proにて動画書き出し時のファン音を収録した動画。
動画や画像の書き出し時など負荷の高い処理を行う際のファン音はそれなりに大きいため、カフェなどで高負荷な処理を行う際は注意したほうが良いです。
なお、軽負荷作業時はほぼ無音で非常に快適で快適に作業ができます。
キーボードは好みが分かれる

DAIV Z4-A9A01SR-Bの内蔵キーボードは、好みが分かれる特徴を持っています。
まず、エンターキー右側にキーがあるレイアウトです。ゲーミングノートPCにありがちなテンキー付きコンパクトレイアウトとは異なり、75%程度のレイアウト。人によっては、作業がしにくく感じたりエンターキーを押そうとして右側のキーを打ったりしかねません。
ただ、キーピッチは約19.05mmと一般的な外付けキーボードと同程度です。

キーストロークに関しては、約1.3mmと非常に薄型。

人によっては指が痛いと感じる可能性がありますが、近年のMacBookのような薄いキーボードが好きな人には最適です。
ゲームなどには不向き

DAIV Z4-A9A01SR-Bは、作業には向いているものの、ゲームなどグラフィック性能がより重要な用途には向いていません。
理由は、外部GPUを搭載していないことです。本機のグラフィックは、CPU内蔵GPUのなかでは比較的高性能なものが使われているとはいえ、近年の人気タイトルは外部GPUが必須になっています。
そのため、ゲームには使いにくいです。
ただ、CPU性能のほうが重要になりがちな2Dゲームや、グラフィックを抑えめにしてオブジェクトを増やしているゲームなどであれば、ある程度遊べます。
動画・画像の書き出し時間

続いてAdobe Premiere Proでの動画の書き出し、Adobe Lightroom・CANON Digital Photo ProfessionalでのRAW書き出し時間を測定しました。
比較機 DAIV FX-I7G7T Core Ultra7 265K RTX5070Ti 64GB | 比較機 mouse B5-A7A01SR-A AMD Ryzen 7 8845HS AMD Radeon 780M 16GB | 本機 DAIV Z4-A9A01SR-B AMD Ryzen AI9 365 AMD Radeon 880M 16GB | |
Adobe Premiere Pro 4K60P 30分動画書き出し | 15分35秒 | 37分32秒 | 27分46秒 |
Adobe Premiere Pro 4K30P 30分動画書き出し | 7分17秒 | 25分38秒 | 14分22秒 |
Adobe Premiere Pro FHD60P 30分動画書き出し | 4分08秒 | 13分06秒 | 9分48秒 |
Adobe Premiere Pro FHD30P 30分動画書き出し | 1分53秒 | 5分22秒 | 3分6秒 |
Adobe Lightroom RAW画像100枚フルサイズJPEG書き出し | 19.5秒 | 1分33秒 | 1分1秒 |
Adobe Lightroom RAW画像100枚2000pxへAVIF書き出し | 26.3秒 | 1分28秒 | 1分19秒 |
CANON Digital Photo Professional RAW画像100枚フルサイズJPEG書き出し | 19分4秒 | 25分25秒 | 27分02秒 |
今回の比較は、デスクトップのDAIV FX-I7G7T、同じモバイル向けRyzenを搭載したmouse B5-A7A01SR-A、そして本機の3台で行いました。
GPUを積んだデスクトップ機は圧倒的な速度が出ますので参考程度に見ていただきたいですが、本機とmouse B5との比較では同じAMD Ryzenファミリーでありながら、本機の方が全体的に高速な処理を実現しています。
LightroomでのRAW現像では100枚でも数秒から数十秒の差ですが、Premiere Proでの書き出しでは数分単位の差がついています。
もちろん4K動画書き出しではデスクトップとの差が如実に現れるため、日常的に4K動画を扱うユーザーには物足りないです。
普段処理する解像度がFHD程度で、軽く持ち運べるノートパソコンという事であれば快適に使用できるはずです。
DAIV Z4-A9A01SR-Bはこんな方におすすめ!

- AIを使った作業がしたい方
- 動画編集や画像編集を行う方
- イラスト制作を行う方
- 持ち運び前提で考えている方
- ゲームには使わない方
DAIV Z4-A9A01SR-Bは、以上のような方々におすすめです。
本機に高い適性があるのは、さまざまなPC作業。オフィス程度であれば非常に快適で、動画編集も軽いフルHDの動画であれば快適に作業できます。画像編集やイラスト制作に関しては、全く問題がありません。
色域が広いのも、それらに向いている理由です。
もちろん、AI処理に特化した特徴を持っているため、AIを使った作業がしたい方には特におすすめのクリエイターPCだと言えます。
まとめ

本記事では、DAIV Z4-A9A01SR-Bについてレビューしてきました。
本機は、AI処理に特化した高性能CPUを搭載しているのが最大の特徴です。Copilot+PCに対応していて、AI作業がより身近になります。AI作業を既にしている方だけでなく、これからAI作業がしてみたいと考えている方にもおすすめです。
購入時には、必要に応じてメモリやストレージのカスタマイズをするのが特におすすめ。
自分に合うかどうかを吟味したうえで、自分により合わせた状態で使い始めましょう。