オーディオテクニカ AT4040レビュー! トークもボーカルも自然に録れる高性能マイク

オーディオテクニカのAT4040は、プロの収録現場でも使われることのある本格的なコンデンサーマイク。自宅でのボーカル収録やナレーション収録はもちろん、配信など幅広い用途で使いやすい高性能なマイクです。

1インチの大口径ダイアフラムを搭載しているのが、最大の特徴。これにより、クリアでナチュラルな音を実現しています。

本記事では、そんなオーディオテクニカAT4040についてレビューしていくので、本機が気になっている方はぜひご参照ください。

目次

オーディオテクニカ AT4040のスペック

  • 型式:DCバイアス型コンデンサー型
  • 指向特性:単一指向性
  • 周波数特性:20~20kHz
  • ローカット:80Hz、12dB/octave
  • パッド:-10dB
  • 感度:-32dB(25.1mV)(0dB=1V/Pa,1kHz)
  • 出力インピーダンス:100Ω
  • 最大入力音圧レベル:145dB SPL(1kHz THD1%)
  • 最大入力音圧レベル(パッドON):155dB SPL
  • ノイズ:12dB SPL
  • ダイナミックレンジ:133dB(1kHz at Max SPL)
  • SN比:82dB(1kHz at 1Pa,A特性)
  • ファンタム電源:48VDC、4.2mA
  • スイッチ:ローカットON/OFF、パッドON/OFF
  • 質量:360g
  • 外形寸法:長さ:170.0mm、本体最大径:53.4mm
  • 出力コネクター:3ピンXLR-Mタイプ

以上が、オーディオテクニカAT4040のスペックです。

単一指向性のコンデンサーマイクで、周波数特性は人間の可聴域と同じ20~20kHzになっています。出力インピーダンスは、100Ω。音楽用マイクのインピーダンスとしては、一般的かつ低めの部類です。

オーディオインターフェイスやマイクプリアンプを選ばず、どのような環境でも使いやすいと言えます。

さらに、重量が360gと比較的軽いので、持ち運びやすいのも本機の良いところのひとつです。

持ち運ぶ際は頑丈なケースに入れることをおすすめしますが、それでも本体重量が軽いので、総重量を抑えられます。

オーディオテクニカ AT4040の良いところをレビュー

オーディオテクニカAT4040のスペックについて、紹介してきました。スペックを見るだけでも軽さや指向性、対応できる機器の幅の広さなどはわかるものの、実際の使用感などはわかりません。

そこで今度は、オーディオテクニカAT4040の良いところについて、レビューしていきます。

フラットで聴きやすい音質傾向

AT4040の音質傾向は、全体的にフラットな印象があります。

フラットだと言える範囲内で、少しだけ中高音域が強めになっているという印象です。クセがなく、それでいて人の声がしっかりと前に出てくる音になっています。

どこかの音域が特別目立つということも、低音が不自然にブーストされることもなく、使いやすい音質のマイクです。声の輪郭がわかりやすいのが良いところ。

そのうえ、音がクリアです。

こうした音になっているのは、1インチ大口径ダイアフラムの恩恵だと言えます。

ダイアフラムというのは、音波を受けて振動する振動板のことです。振動して電気信号に変換している部品で、これが大きいことによりノイズが低くなりクリアな音になります。

滑らかできめ細やかな音で声を録るのに最適

AT4040の音質は全体的にフラットで、クセがなく声が前に出るので人の声を録るのに向いていると先述しました。

同時に、AT4040は音がとても滑らかで、きめ細かい印象があります同シリーズのAT2020・AT2035には、高音に少し刺さるように感じる部分があるものの、ATA4040にはそれがありません。

低音はふくよかに感じられ、中音は締まりがあり、高音は滑らかです。どの音域も、滑らかで素直な印象があります。

そのうえ、表現がきめ細やかです。声色の持つ空気感や雰囲気、息遣い、温度感などをしっかりとそのまま表現できます。

ボーカルもトークも、人の声がより映えるマイクです。

これも、大口径ダイアフラムの恩恵だと言えます。ダイアフラムは大きくなるほど、振動をより詳細に感じ取りやすく、高感度で繊細な音やニュアンスを正確に捉えやすくなるのが特徴です。

付属品の質が高い

オーディオテクニカAT4040には、以下のようなアクセサリーが付属します。

  • ショックマウント AT8449a
  • 変換ネジアダプター(3/8″-5/8″)
  • ダストカバー
  • ケース

特に品質が高いのが、ショックマウントです。昔はゴム固定式が付属していて、使いにくい印象がありました。

ただ、現行品は違うものになっています。マイクをはめるだけでしっかりと固定されるので、取り付けも取り外しも非常に楽です。

さらに、しっかりとノイズを防止してくれます。

そのうえ、頑丈です。

それもそのはずで、このショックマウントは単体で購入すると1万1000円かかります。

単体販売も行っている自社の高品質ショックマウントを付属しているので、別途ショックマウントを買い足す必要はありません。

また、ケースも頑丈かつ使いやすいです。

全体的に、使いやすいセットだと言えます。

最大入力音圧が高め

AT4040は、最大入力音圧が同価格帯の製品のなかだと高めです。

最大入力音圧というのは、マイクが音を歪ませずに入力できる音量の限界値のこと。これを超える大きな音をマイクに入れると、音が歪みます。

つまり、最大入力音圧が高ければ高いほど、大きな音を録りやすいということです。

PADスイッチがあるマイクの場合、オンの状態で最大入力音圧が上がるのが特徴。本機はPADスイッチをオンにした状態だと、155dB SPLになります。

これは、同価格帯のライバル製品のなかでは比較的大きな数値です。

AT4040は、比較的大きな音が録りやすいマイクだと言えます。

80HzローカットやPADスイッチで音がクリア

AT4040には、80HzローカットスイッチとPADスイッチが搭載されています。

80Hzローカットというのは、音声のフィルター機能のひとつです。80Hzより低い周波数の音の入力をカットしてくれるので、風切り音やエアコンのノイズなどが入りにくくなります。

PADスイッチは、大きな信号を減衰させて、歪みを防ぐためのスイッチです。信号の音を減衰させることで、入力音信号の大きさを少しでも適切な値に近づけられます。

AT4040は-10dBの減衰で、最大入力音圧がその分高くなり、155dB SPLになっているということです。PADスイッチオフ時の最大入力音圧は、145dB SPL。

これらの機能があることで、音がクリアになるのがAT4040の良いところです。

もちろん、環境や好みなどに合わせてオンオフの切り替えができます。

オーディオテクニカ AT4040の気になる点をレビュー

オーディオテクニカAT4040の良いところについて、レビューしてきました。音質がよく音がクリアで、人の声を録るのには最適なマイクのひとつです。良いところが多いものの、人によっては気になる点もあります。

そこで今度は、AT4040の気になる点についてレビューしていくので、ぜひご参照ください。

セルフノイズレベルが同価格帯では少し高め

AT4040は、セルフノイズレベルが同価格帯のライバル製品と比べると少し高いです。

セルフノイズレベルというのは、音を入れていない状態で発生するノイズの大きさのこと。等価雑音レベルとも呼びます。

コンデンサーマイクは、マイク自体から雑音が発生するものです。マイクにアンプ回路があり、その電子回路が常に微細なノイズを発しています。それに加え、入力をしているつもりがなくともエアコンやPCの動作音とそれに伴う振動が入ることも少なくありません。

そうした雑音のレベルが、AT4040は12dB SPLと同価格帯のマイクと比べるとやや高めです。

ただ、非常に小さな音を録る場合でもない限り、声に埋もれる程度のノイズであるため、それほど気にしすぎる必要はありません。

小声で配信がしたい場合などには、注意しましょう。

良くも悪くも集音性能が高い

AT4040は、良くも悪くも感度と集音性能が高いです。

マイク感度は、どれだけ音を拾うかの指標のこと。これが高いと、微細な音も少し遠目の音も拾うようになります。

ささやき声や声の息遣い、楽器の繊細な表現などを拾えるのが高感度なマイクのメリットです。マイクにあまり近づかずとも、ささやき声がしっかりと収録できます。

一方、不要な環境音を拾いやすいというデメリットがあるので、注意しましょう。空調の音、換気扇の音、キーボードのタイピング音、生活音。それらがしっかりと入ってしまいます。

なんらかのノイズ対策は必須です。

高感度マイクのノイズ対策としては、マイクを口に近づけてゲインを抑えて録るというのが一般的。こうすることで遠くの音を拾いにくくなり、口を近づけることでその状態でも声はしっかりと録れるようになります。

オーディオテクニカ AT4040はこんな方におすすめ!

  • 声がメインの活動がしたい方
  • アコースティックギターの弾き語りなどがしたい方
  • ソフトで癖がない音が録りたい方
  • 大きな音を出すことがある方

オーディオテクニカAT4040は、以上のような方々におすすめです。

AT4040はその音質傾向から、人の声を録るのに特化している印象があります。歌でもトークでも、人の声の温度感や息遣いやニュアンスなどを正確に表現しやすく、雑談配信はより親しみを持てるようになり、歌配信はより情感あふれる声になるのが良いところです。

そのため、配信者など声がメインの活動をしている方全般におすすめだと言えます。

まとめ

本記事では、オーディオテクニカAT4040の良いところと気になる点について、レビューしてきました。

AT4040は、フラットで聴きやすい音質傾向です。低音がブーストされることも、高音が刺さることもなく、クセがなく聴き疲れしません。長時間の雑談配信やゲーム実況配信、歌の収録やナレーションの収録など声を使う活動全般で活躍できます。

さらに、高品質なショックマウントが付属したりPADスイッチなどの便利な機能があったり、良いところが豊富です。

気になる点は対策ができる部分が多く、ノイズ対策さえしっかりとしていればどのような環境でも使いやすいマイクだと言えます。

予算や用途などと相談しながら、AT4040が自分に合うかどうかを本記事を参考にしながら、じっくりと検討してみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次