SOUNDPEATS Space Proは、有名オーディオメーカーSOUNDPEATSから発売されたヘッドホンです。有線と無線に両対応していて、値段は1万円を下回っている低価格なのが魅力的。
もちろんLDACに対応し、ハイレゾ認証も取得しています。
SOUNDPEATSは高コスパなオーディオ製品が多いですが、Space Proも例に漏れずコスパが非常に高いです。
本記事では、そんなSOUNDPEATS Space Proについて、レビューしていきます。
SOUNDPEATS Space Proの基本的な仕様
SOUNDPEATS Space Proの基本的な仕様について、まずは簡単に解説していきます。Space Proのスペック、デザイン、付属品が気になる方は、ぜひご参照ください。
SOUNDPEATS Space Proのスペック

・ドライバー方式:40mm+10mm同軸デュアルダイナミックドライバー
・対応コーデック:SBC,AAC,LDAC
・ANC性能:最大-47dB
・連続使用時間:最大151H
・急速充電:5分間の充電で4時間再生可能
・重量:282g
・カラーバリエーション:ブラック/ベージュ
以上が、SOUNDPEATS Space Proの簡単なスペックです。
ドライバーは、デュアルダイナミックドライバーになっています。40mmの大口径ドライバーと、10mmの小口径ドライバーの合計2基の構成。この構成のメリットは、音質の良さと装着感の良さを両立させやすいことです。
ダイナミックドライバーを2基搭載して音質を高めつつ、同軸上に配置することにより、小型化しやすくなります。ハウジング部が大型になりすぎず、重くなりすぎないので、装着感を良くしやすいです。
SOUNDPEATS Space Proのデザイン

SOUNDPEATS Space Proのデザインは、同価格帯の製品群のなかでは、比較的高級感があると言えます。
まず、大きめの化粧箱は高級機に多い弁当箱タイプ。蓋を開ければ、本体がスポンジにしっかりと埋め込まれて登場します。スポンジの下には、各種付属品。
本体の側面は、レザー調になっています。

少し珍しいデザインです。少なくとも、1万円未満のヘッドホンではあまり見られません。
プラスチック素材がメインですが、安っぽさや剛性の低さなどはなく、しっかりとしています。剛性感はむしろ高いと感じるほどです。
ボタン類は、装着時に後ろに来るように配置されています。

装着時の自己主張が弱いので、デザインを阻害しないうえに、全て後ろにあるのでわかりやすいです。

場所も押しやすく、かと言って持ったときに押し間違いにくい場所になっています。ANCボタンが孤立しているのも良いです。
全体的に、価格以上の高級感があり、実用性も高いデザインです。
SOUNDPEATS Space Proの付属品

・Space Pro本体
・USB Type-C to Cケーブル
・AUXケーブル
・持ち運び用ポーチ
・説明書などテキスト類
以上が、SOUNDPEATS Space Proの付属品です。
本体と各種ケーブル、ポーチが付属します。この価格帯でポーチとケーブル2種類を付属しているのは、比較的豪華です。ポーチは高級ヘッドホンでは定番の付属品ですが、1万円を下回る本機の価格帯では、少し珍しいと言えます。

安いとはいえ、ポーチの質感も悪くはありません。
さらに、ケーブルの質感も良好です。太めで柔らかい質感で、耐久性・取り回しの両方ともが良好だと言えます。そのうえ、使い勝手が良いです。
SOUNDPEATS Space Proの良いところをレビュー
ここまで、SOUNDPEATS Space Proの仕様について紹介してきました。今度は、SOUNDPEATS Space Proの良いところについて、レビューしていきます。音質傾向やANCの性能、バッテリー持ちなどが気になる方は、ぜへいご参照ください。
低音の響きが豊かに感じる

SOUNDPEATS Space Proの音質傾向は、比較的低音寄りです。
肝心の低音の音質ですが、非常に良好。低音域にしっかりと厚みがあり、深みもあります。この価格帯にありがちな低音が強いようで深くはない、というような音ではなく、深みと厚み重視の低音が楽しめるのがSOUNDPEATS Space Proの大きな魅力のひとつです。
体の芯に、しっかりと響きます。
さらに、アタック感も強め。キレもしっかりと感じられ、籠もりはありません。
とはいえ、低音が強すぎてほかが隠れるということもなく、バランスが取れています。
低音偏重じゃないバランスの取れた音

SOUNDPEATS Space Proは比較的低音重視の音質を持っているものの、全体的な音域バランスが良好です。
中音域は分離感が強く、埋もれずにハッキリと聞こえます。高音域も良くも悪くも特徴が弱いですが、分離感が強く解像度が高いのが良いところです。高音がしっかりと繊細に感じられます。
低音重視のヘッドホンでは、高音域も強い製品が少なくありませんが、そのようなドンシャリ傾向の音が苦手な方でも、低音を楽しみやすい味付けになっているのが良いところです。
ボーカルラインは、中高音重視の音が好きな方にとっては若干物足りない可能性があるものの、全体的に聴き心地が良く、迫力をしっかりと強く感じられる場面もあり、バランスの取れた音楽体験ができます。
この音楽ジャンルに最適、ということはあまりないものの、幅広い音楽ジャンルに適している音質傾向です。
そのため、マルチに使い倒せるヘッドホンが欲しい方には、特におすすめの製品だと言えます。
同価格帯ではトップクラスのANC性能

SOUNDPEATS Space Proは、ANC(アクティブノイズキャンセリング)の性能が同価格帯ではトップクラスに高いです。
どのようなノイズでも、低音域から中音域をしっかりと消してくれます。この音域に関しては、無音に近いほど消えるのが良いところです。
街を歩いているときに聞こえてくる人々の雑踏、カフェでの人の話し声、電車の走行音などがしっかりと消えます。家の中では、エアコンの駆動音を消すのにちょうどいい性能です。
高音域に関しては、角が取れるという印象。たとえば飲食店の食器同士がぶつかるような音が耳に刺さるように感じる場面では、耳に刺さる感覚がなくなるものの、音自体はそれなりに聞こえてくるという感覚になります。
最大151時間という圧倒的なバッテリー持ち

SOUNDPEATS Space Proの各性能で、最も尖っているのがバッテリー持ちです。
なんと、ANCオフ時の連続再生時間は最大151時間。これだけのバッテリー持ちを実現している無線ヘッドホンは、どの価格帯を探しても滅多に見つかりません。1日1時間程度のペースであれば、5ヶ月ほどは充電せずに使えるということになります。
さらに、ANCをオンにしてLDACで接続しても、連続再生時間が42時間と長いです。ANCもLDAC接続も、どちらもバッテリーを大幅に食います。
これらを併用して42時間というのは、驚異的です。
そのうえ、急速充電に対応しています。
5分充電すれば、最大4時間の再生が可能です。バッテリーが無くなった場合も、出かける前に着替えながら充電するだけで、外出先で使うには十分な再生時間が得られます。
出張が多い方、旅行が好きな方、通勤時間が長い方にとっては特に大きな魅力です。
装着感が良好で疲れ知らず

SOUNDPEATS Space Proは、装着感が良好です。
まず、側圧があまり強くありません。側圧が強いと、耳や側頭部が痛くなることがよくあります。メガネを使っている方は特に、側圧が強いヘッドホンを使うと痛くなりやすいです。
本機は側圧が程よく弱いので、痛くなりにくく、かと言ってズレにくいのが良いところ。
さらに、イヤーマフも低反発型。しっとりとした肌触りなので夏場は蒸れるものの、耳が痛くなったり疲れたりしにくいのが良いところです。

そのうえ、バッテリー寿命が長いヘッドホンにしては282gと重量がそれほど重くありません。首も疲れにくいです。
作業用BGMを流す際など、長時間使い続ける用途にも向いています。
接続方法が豊富で使いやすい

SOUNDPEATS Space Proは、3種類の接続方法に対応しています。
AUX有線接続と、Type-C有線接続、無線接続です。
有線無線両対応のヘッドホン自体、この価格帯では珍しいと言えます。無線か有線かのいずれかになりがちですが、本機はその両方に対応。そのうえ、AUXとType-Cの2種類のケーブルが使えるのが良いところです。
スマホやノートPCにはType-C、オーディオ機器にはAUXで接続するという使い分けができます。
個人的にはiPhoneで有線接続すればよい音質でリスニング出来るのが気に入ってます。

iPhoneでは無線接続の場合AACでの接続となります。SOUNDPEATS Space Pro自体はハイレゾ認証対応ですが、ハイレゾ相当の音質では聴けません。
しかしUSBでiPhoneと接続することで、iPhoneのもつ24bit/48kHzのスペックを引き出すことができます。ちなみにこの音質はロスレス音質といい、CD超えだけどハイレゾ未満というポジションになります。
DACなどのオーディオ機器と3.5mm接続した場合は、ハイレゾ音源にて聞くことが可能です。
接続方法 | コーデック/出力 | 音質レベル |
---|---|---|
iPhone × 無線(Bluetooth) | AAC(最大48kHz/256kbps程度) | 普通の音質 |
iPhone × 有線(USB) | 24bit/48kHz | ロスレス(ハイレゾ未満) |
iPhone × 有線(+外部DAC) | 96kHz/24bit以上 | ハイレゾ |
SOUNDPEATS Space Proの気になる点をレビュー
ここまで、SOUNDPEATS Space Proの良いところについて、レビューしてきました。今度は、SOUNDPEATS Space Proの気になる点について、簡単にレビューしていきます。良し悪しの両方を知りたい方は、ぜひご参考ください。
外音取り込みは若干違和感がある

SOUNDPEATS Space ProはANC性能は高いですが、外音取り込みには若干の違和感があります。
中高音域は聞こえ方が自然ですが、低音域はあまり拾ってくれません。そのせいか、人と話している声自体は自然ではあるものの、環境音など総合的には違和感を感じてしまうことがあります。
とはいえ、人の声は聞こえるようになるので、人と話すときだけちょっとオンにする程度の用途であれば、使いやすいです。
ボタンの反応や音に高級感が無い

全体としては価格帯以上に高級感を感じさせるデザインと質感が魅力です。
マットな仕上げや落ち着いたカラーリングは所有欲を満たしてくれますし、見た目の印象はかなり良好です。
ただし操作面に関しては気になる部分もあります。
物理ボタンの押し心地がやや軽く、反応音も「カチカチ」とした樹脂的な質感にとどまっているため、押した瞬間の手応えや高級機らしい重厚感は感じにくい印象です。
実用上は問題ありませんが、見た目とのギャップが少し惜しいと感じました。
SOUNDPEATS Space Proはこんな方におすすめ!

- 低価格帯でも高性能なノイキャンが欲しい方
- バッテリー持ちを気にする方
- 音質もANCもバッテリー持ちも妥協したくない方
- 家では有線、外では無線で使うなど使い分けたい方
SOUNDPEATS Space Proは、以上のような方々におすすめです。
SOUNDPEATS Space Proは、1万円未満と安いヘッドホンとしてはクオリティが非常に高いのが良いところ。ノイズキャンセリング性能が高く、音質もバランスが取れていて聴きやすく、バッテリー持ちは異様なほどに良いです。
さらに、有線と無線で使い分けられるのも良いところ。
これらの特徴に魅力を感じる方であれば、SOUNDPEATS Space Proはとてもおすすめです。
まとめ

本記事では、SOUNDPEATS Space Proについてレビューしてきました。
SOUNDPEATS Space Proは、コスパが非常に高いヘッドホンです。有線と無線の両対応で、AUXとType-Cに対応しているという接続性の高さが非常に魅力的。そのうえ、無線で最大151時間も再生できるので、本機が物理的に使えないという場面がほとんどありません。
さらに、音質も価格帯に対して良好で、ANCも高性能。
一部に気になる点はあるものの、価格を考えれば納得できる範囲です。
本機の特徴のいずれかに魅力を感じるのであれば、無条件におすすめできるヘッドホンだと言えます。